第45話

『再生能力も凄いんだろ?折ってみようぜ!!』


『折ったら俺にちょうだい!!綺麗なんだもんっ』


『おーい、死なすなよ?珍しいんだからな、鬼は』



ニタニタと笑って近付いてくる、子供たち。


そしてそれを止めずにこれまたニタニタ笑う大人達。



あの頃のわたくしには角が折れたらどうなるかなんてわからなくて、ただただ恐怖だった。


子供の角はまだ柔らかくて、暴れるわたくしを三人がかりで押さえつけ……


二人がかりで折られた。



「あああああああっ!!」



痛くて痛くて……そしてなにより……


己がもう“出来損ない”になったのだとわかって。



絶望した。



「丁!!」


「っっ」



耳元で叫ばれ、わたくしは目を覚ます。


ダッと流れ落ちる冷や汗と、バクバクと鳴る心臓。



????



「丁!!」


「わっ」



とってもとってもお綺麗な顔が目の前に。



「……刹鬼?」



彷徨っていた視線が定まり、目の前の御人が誰かを思い出す。


わたくしの愛しい愛しい旦那様。



「刹……むぎゅう!?」



おもいっきり寝たまま抱きしめられました!!



「??」


「大丈夫。大丈夫だ、もうお前を苦しめる者は誰も居ない」


「……」



ああ……。


夢を……夢を見たんでした。



なんでしょうね、体が弱ってしまって精神も弱ってしまっていたんでしょうか。


全然見なくなっていたあの頃の夢を見るなんて。


でも



「あの……刹鬼様?わたくし何か言ってました?」


「とても魘されていた。呼んでも起きなくて」



心配したーー



と苦しげな表情で言われると、荒々しく噛みつくようなキスをされました。



!?


刹鬼様!?

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