第39話
満月の夜が明けるーー。
開いていた時空の扉が閉まる。
天使達もなんとか帰り、ようやく一段落。
アンジェラなどはアレだけ刹鬼様のお怒りを買いながらも
『またっまた来ますわっ!!刹鬼様ーーっ!!』
と、叫んでました。
刹鬼様はもう目もくれませんでしたが。
なんならずっとわたくしを抱きしめ、わたくしだけをずーーっと見てくれていましたが。
うっふっふっふっ。
でーっへっへっへっへぇぇぇぇぇーーーー……。
「大丈夫ですか?奥様」
「さすがに疲れましたわ」
高い高い丘の上。
木造のベンチに腰をかけ隣に座る真鬼の肩に頭を預ける。
その後ろには刹鬼様と多鬼。
そして鍾鬼様。
鬼ヶ島で一番見晴らしの良い場所。
満月の夜が終わる時は、必ずココに来て朝日を拝みます。
「すまない。たくさん無理をさせたな」
「!!??」
後ろから角や髪、頭を優しく撫でてくださりながら刹鬼様が謝られる。
刹鬼様が謝られらことはありませんっ、そう言おうとグルリと身体を回転させるも
「兄上が謝る必要はどこにもないよっ」
鍾鬼様が先に言ってしまわれます。
ムカチンッときましたが、同意見なので頷きます。
「そうですよ、刹鬼様。刹鬼様が謝られることは何一つありませんわ」
「しかし……」
困り顔の刹鬼様。
ああ!!
なんと色っぽく艶めかしいのでしょう!!
なんて考えていたら多鬼が鼻にティッシュを突っ込んできたではないですかっ!!
「鼻血予防ですよ、奥様」
優秀ね。
さすが刹鬼様の右腕。
途方もなく優秀だわ。
が、しかーしっ!!
渡すだけで良くない!?
何故に鼻に突っ込む必要があった!?
ギギッと多鬼を睨むも奴はどこ吹く風の如くシレッとしている。
本当に、良き刹鬼様の右腕ですわ。
まぁ、後で百叩きの刑に処しますけど。
刹鬼様の前でティッシュを鼻に突っ込まれるという屈辱許すまじですから。
「すみませんでした。奥様」
青褪める多鬼。
それを見てほくそ笑む真鬼。
真鬼は多鬼が困ってる姿が大好きなようなので。
「わたくし、頑張るわね。真鬼」
「応援しております。奥様」
「いーーやーーだぁぁぁぁ!!」
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