第34話

ドゴォッ!!




「ぎぎゃっ?!」




ドゴォオッ!!




「ゴッ?!」



「ギャァアッ」




ドコォオンッ!!




「アッ!?」




一切手加減なし。


全身を使って跳び、フルパワーで鬼達の脳天に釘バットを振り下ろした。


鬼達は首だけ残して、後は地面にめり込んだ。



その姿はまるで割られるのを待つスイカのようである。



全員白目を剥き、口から泡を吹いている。



まだ足りないぐらいだ。



コイツらは、鬼の誇りを……


私の命より大切な旦那様……刹鬼様のお顔に泥を塗ったのだ。




「オイ」



「ひぃっくっ」




男天使に呼びかけられますが、私はそれを無視して…地面に膝をつけると土下座をして深々と頭を下げた。


すると真鬼まで私の隣に来て土下座を。




「真鬼、貴女は」



「奥様がされるなら、真鬼も致します。どんなことでも」




真鬼が微笑みながら言う。




「ありがとう」




私も真鬼に微笑返し、また深々と頭を下げた。




「なんっっのっ、ヒックッつもり……よ?」



「この度は誠に申し訳ありませんでした。同じ女性としてこの鬼達がしたことは到底許せるものではなく、貴女が感じた恐怖はどれほどのものだったでしょう」




手足を縛られ、鬼達にいいようにされる。


それがどれほどの恐怖か……




「頭を下げたくらいでは許されるものではありませんが、本当に申し訳ありませんでした」



「申し訳ありません」



「アンジェラ」



「ッック」




嗚咽を堪えながらアンジェラが私達の前へ。




「許さないわ…よ。許されたいなら……アンタも同じ目にあいなさいよっ」



「アンジェラ!!」




……そうですわよね。


アンジェラを縛り、この者達に任せたのは私。




「わかりました」



「奥様!!それならば私がっ」



「バカ言わないで真鬼。貴女には絶対にさせないわ」




身代わりになろうとする真鬼を叱り、顔を上げるとクシャクシャに顔を歪めたアンジェラが見えた。

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