第28話
「刹鬼様ー。刹鬼様ー。貴方の愛しのアンジェラが来ましたわー」
ピキッ。
誰が……
「誰が刹鬼様の愛しの、寝言は寝てから言え。てか、満月のたびに来るな羽根つき虫が」
「出たわね、刹鬼様の小判鮫が」
「ああ?」
「ハァ?」
バチバチッと私と羽根つき虫の間で火花が散る。
え?
いつもと言葉遣いが違うと?
それはそうでしょう。
敵に、しかも刹鬼様を狙っている敵に、丁寧な言葉を使ってやる義理はありませんわ。
そう、この羽根つき虫=天使はあろうことか刹鬼様に一目惚れして満月の度に現れるのです。
刹鬼様には私という妻がいるというのに。
私より自分の方が刹鬼様に相応しいと。
………んなわけあるか。
刹鬼様の隣に立つのは私だ。
アンジェラより高い所から、彼女を見下ろす。
サラサラの金髪に碧眼。
確かに美しい。
背中に生えてる翼も白くて綺麗。
密かに鬼達の中にもアンジェラのファンが居ることは知っている。
けれど、私の方が美しい!!
と思わなければ負ける!!
刹鬼様も私以外は考えられないと言って下さるしっ。
照れり。
アンジェラの表情が醜く歪む。
「刹鬼様はどこ?」
「言うと思うてか」
言わんわ。
誰が会わせるか。
「じゃあ、アンタを倒して会いにいくわ」
「そう言って毎回ヤラれてるのは誰?」
これまでに闘って、私全勝である。
バチバチッ。
「「フッフッフッフッフッ!!」」
「「アーッハッハッハッハ!!」」
互いに高笑い。
私はアンジェラに向かって、彼女を見下ろしていた小山から飛び降りた。
ガッチーーーーーンッ!!!!
釘バットと剣が激突する。
今日こそ、もう来れないように……
ブッ殺
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