零式艦上戦闘機

1940年(皇紀2600年)に採用された陸海共通第2作目の戦闘機で陸海共通第1作目の九六式艦上戦闘機の後継機である。機体の防弾装備は九六式の7.7mmから12.7mm一部20mmに強化された。強化された理由はノモンハン事件に秘密裏に投入された量産試作機4機のうち2機が片翼損失の状態で帰投したためである。また武装にはM2ブローニングのライセンス生産型であるホ102を2門とホ102をベースに20mmに口径拡大などの改良を施した国産の20mm機関砲であるホ5を2門搭載している。要求性能を必要最低限にしたことで余裕を持った設計となり、改良型が多く開発された。また日本の統治から独立した台湾自治政府に対しても納入された。このため生産期間が5年程度と短いのにもかかわらず優れた生産性も相まって20,000機ほどが生産された。

機体構造はエンジン、前部胴体、後部胴体、主翼、垂直尾翼・水平尾翼の5種類に分割されており、自動車のような生産ライン方式とブロック方式を組み合わせたため非常に生産性が高い機体となっている。また動翼の稼働には電動モーターを使用することで整備時に外部バッテリーを使用することで稼働が可能である。なおこの機体以降日本軍は動翼の稼働に電動モーターを採用している。

以下は初期型の11型のスペックと中期型である32型のスペックであるが、最終型である43型は主に台湾に納入されたため生産数が少ない。また零戦をベースに練習機も開発された。

諸元

機体名:零式艦上戦闘機11型

乗員:1名(複座型は2名)

全長:10.0m

全高:3.6m

翼幅:12.0m

翼型:テーパー翼

最高速度:575km/h(6,000m)

航続距離:増槽あり2,500km

     増槽なし2,000km

エンジン:金星40型(2段2速過給機搭載)

         離昇1,600馬力

         一速1,400馬力

         二速1,400馬力

電子機器:九九式射爆照準器、九九式敵味方識別装置、九八式機上無線機

防弾装備:主翼、胴体ともに重要区画のみ20mm

     その他区画は12.7mm

消火装備:機体内全燃料タンク

プロペラ:ハミルトン・スタンダード 3枚(直径3.05m)


兵装

固定武装:ホ102×2門(計1,200発)

     ホ5×2門(計400発)

外部兵装:60㎏爆弾×4発



諸元

機体名:零式艦上戦闘機32型

乗員:1名(複座型は2名)

全長:10.0m

全高:3.6m

翼幅:12.0m

翼型:テーパー翼

最高速度:575km/h(6,000m)

航続距離:増槽あり2,300km

     増槽なし1,800km

エンジン:金星50型(2段2速過給機搭載)

         離昇1,750馬力

         一速1,650馬力

         二速1,650馬力

電子機器:一式射爆照準器、一式敵味方識別装置、零式機上無線機

防弾装備:主翼、胴体ともに重要区画のみ20mm

     その他区画は12.7mm

消火装備:機体内全燃料タンク

プロペラ:ハミルトン・スタンダード 3枚(直径3.05m)


兵装

固定武装:ホ102×2門(計1,200発)

     ホ5×2門(計600発)

外部兵装:250㎏爆弾×2発

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