EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)58
クライングフリーマン
勘違い殺人未遂事件
===== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。現在は休暇中。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。
本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。
大前(白井)紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。
神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。
芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。
用賀(芦屋)二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。
小柳警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。
真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。
佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。
用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。
和田和子・・・襲われた看護師(達)
=====================================
= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =
==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==
※病院勤務の看護師の約7割は交代制で勤務と言われています。
看護師の交代制とは、日勤と夜勤を交代で勤務する形態です。看護師の交代勤務は、2交代制と3交代制があります。
2交代制の場合、日勤 8:00〜17:00の8時間(休憩1時間)、夜勤 16:30〜9:00の16時間(休憩2時間程度)が標準です。
日勤 8:00〜17:00の8時間(休憩1時間)、準夜勤 16:30〜1:00の8時間(休憩1時間)、深夜勤 0:30〜9:00の8時間(休憩1時間)が標準です。
3交代制は24時間を日勤・準夜・深夜の3つにわけて働く勤務形態です。1回の勤務時間は7.5〜8時間程度になります。
3交代制のメリットは、1回の勤務時間が2交代制よりも短く身体への負担が少ないことです。その一方で2交代制より夜勤回数が多く勤務間の休みが短いため、人によっては生活リズムを整えにくい場合もあります。
また、変則交代制勤務は、交代勤務のなかに、長日勤や早番・遅番などが入る勤務形態です。病院のなかには、変則交代制を採用しているところもあります。変則勤務の例は、以下のとおりです。
長日勤(ロング日勤) 8:30〜19:30の10時間(休憩1時間)、夜勤 19:00〜9:00の12時間(休憩2時間)が標準です。
また、早番・遅番は、朝食や夕食前後の忙しい時間にあわせて働く勤務形態です。業務内容は患者さんを受け持たず、フリー業務をする病院が多いようです。
早番 7:00〜16:00の8時間(休憩1時間)、遅番 12:00〜21:00の8時間(休憩1時間)。
病院によってシフトは一律ではなく、流行病の影響だけでなく、慢性的な人手不足と言われ、「訪問看護」というスタイルも確立されたため、色んな問題があると言われています。
午後3時。EITO大阪支部。会議室。
「3日前、東淀川区の淀ひがし病院で看護師が重傷を負う事件が発生、一昨日に都島区のみやこ記念病院で看護師が重傷を負う事件が発生、昨日に港区の第一みなと病院で看護師が重傷を負う事件が発生。いずれも16時半、所謂夜勤または準夜勤の時間で場所は病院近くの通勤直後での障害で、ガイシャの名前は『和田和子』。チーフ、どう思う?」
小柳警視正はマルチディスプレイに姿が映ると、総子にクイズを出した。
「今日も、どこかの病院の近くで夜勤または準夜勤の看護師さんが襲われる。犯人、いや被疑者は襲う相手の名前と職業と勤務時間しか知らなくて、失敗を繰り返した。囮捜査を必要とする、ということですね。」
総子は、小柳から見えない位置でカンペ、即ちカンニングペーパー代わりの画用紙をチラ見して応えた。
そうとは知らず、小柳は「流石、チーフだ。大した推理力だな。」と感心した。
「コマンダー。確かEITOエンジェルズに看護師の資格保持者がいたね。」
「丘今日子隊員です。今日子、前へ。」と、コマンダーこと大前は即答した。
今日子は前へ出て言った。「丘今日子です。喜んで囮になります。警視正。なんで『和田和子』さんなんですか?」
「うむ。襲われた3人は、看護師という職業と勤務時間帯、まあ、シフトだから今週だけ重なったのかもしれんが、年齢やキャリアは別々だ。被疑者は、今チーフが言ったように、限られた条件で探し出して、襲っているとしか考えられない。」
「和田和子さんは、4人だけなんですか?」と、ジュンが尋ねた。
「うむ。いい質問だ、班長。大阪市内では、後2人、つまり6人の、同姓同名の看護師がいる。この際、大阪府内では考えない方がいいと思う。毎日襲うということは、被疑者に何か切迫する事情があるのだろう。大前君、後の3人は病院に確認の上、当面欠勤させるように依頼した。警邏の警察官に監視させている。で、囮捜査だ。今日子君、大丈夫かな?」
「無論、他のメンバーも待機させます。あ。4番目はどこですか?」と大前が尋ねると、「有り難い事に大正区。EITO大阪支部に近い、弘道大正病院だ。歩いてでも行ける。よろしく頼む。」
マルチディスプレイから、小柳警視正が消えた。
例によって、小町はアカンベエをした。
紀子がケラケラ笑っている。
「聞いての通りや。確かに歩いて行けるけどな。皆、早速準備にかかれ。ナース服やけど・・・。」と、大前が言いかけると今日子は制服のサイズのメモを差し出した。
「分かった。病院に連絡しておく。皆、行動が早いなあ。」
「兄ちゃんの『しつけ』がええからな。べんちゃらたけど。」
「べんちゃらは余計やろ。」そう言いながら、大前は電話の受話器を持った。
すかさず、ヘレンが、届いたメールを元に書いた、病院の電話番号のメモを差し出した。
午後4時半。弘道大正病院。
着替えた今日子が、スタッフステーションに向かっていた。
看護師長に、今は男性看護師が登場して以来、従来の『詰め所』や『ナースステーション』という呼称を『スタッフステーション』という呼称に改めている病院が多いと説明を受けた。
『和田さん』と、入院患者っぽい男性が今日子に声をかけた。
今日子が振り向くと、「くそっ、違う!!」と言って、男は今日子にナイフで切りつけた。今日子は、寸前でかわした。
その様子を、警備員に化けた用賀が撮影していた。
「な、何が、違うの、助けて!!」と今日子が叫ぶと、「ちゃう!!」と言って、廊下を走り抜けようとした。
そこへ、女子警察官の制服の一美と真壁が現れて、即刻逮捕連行した。
病室に待機していた、EITOエンジェルズが現れた。
午後7時。鶴見区。鶴見緑地。花博記念公園。ある自社ビル。
「ほーえーかご、ほーえーかご!!」
季節外れの、かけ声に、半グレの会社「花博商会」の社員が出て来た。
「なんや。お前ら?」男達は、いきり立った。
「知らんのか、モグリか、オッサン!!」と、ぎんが笑いながら言った。
「ほんなら、教えたるわ。天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!EITOエンジェルズ!!満を持して。」
総子の口上が終わるや否や、EITOエンジェルズは、男達の両耳にウォーターガンを宛てがい、発射した。
男達は、たまらずしゃがみ込んだ。
小町が前に出る前に、総子は「靴、汚れるから、やめとき!」と叫んだ。
EITOエンジェルズが、男達をバトルロッドで叩く間に、用賀は長波ホイッスルを吹いた。
長波ホイッスルとは、犬笛に似た笛で、普通の大人の耳には聞こえない、特殊な音波を出す。EITOでは、単純な通信手段で使用してる。意味は、「終了しました。」
すぐに、長波ホイッスルの音波を受信したオスプレイから大阪府警を通じて警察無線を使って現場近くで待機している警察官達に伝えられた。EITOは民間企業であって、警察ではない。
逮捕は出来ても、後の仕事は警察の仕事だ。
すぐに警察官と屈強な刑事達がやって来て、逮捕連行及び家宅捜索を行った。
指揮を執っている、佐々ヤンこと佐々刑事がやって来て、総子に言った。
「公安でも目を付けてから、棚ぼたやった。ナイフと一緒に所持していた注射器から新種の麻薬が出てきた。打たれたら、半狂乱になって死ぬとこやな。『調べ』の途中やが、襲う相手を最初から間違えてたみたいやな。友人の敵討ちやそうや。友人が『今際の際(いまわのきわ)』で言った名前は、『和田和子』や無かったことが、その友人宅のPCに遺されたファイルで分かった。チーフ。今の皇后さんの旧姓は?」
「そら、おわ・・・ええ?」
午後10時。総子のマンション。浴室。
「被疑者のリー・康夫は、所謂在〇で、幼い頃、親友だった飛鳥吾郎と再会を喜んだのも束の間、交通事故で飛鳥は、リーの目の前で亡くなった。リーは、知り合いの半グレに頼んで大阪看護助産友の会をハッキング、6人の看護師『和田和子』を見つけ出し、確認をしながら復讐をするようになった。1週間後には、パスポートが切れるから帰国しなくていかないから焦っていた。どんな恨みがあったかは分からんが、飛鳥は力を振り絞って話したが、リーは上手く聞き取れなかったんや。『和田』に似た名字なんか想定外やったやろう。明日、花ヤンと横ヤンに、2人の『小和田和子』という名前の看護師さんに事情を聞きに行くことになった。」
「私も行ってええ?」「アカン。後は警察の範疇や。棚ぼたやったけど、麻薬密売の半グレ捕まえたんやから、それでエエやないか。それより、小町の扱い方、上手いらしいな。大前さんも褒めてたで。小町の許嫁はなあ、レイプ経験のある小町を捨てへんかった。その代わり、出世してから嫁に貰うって言ったそうや。」
「ふうん。伝子ねえちゃんとこの、あつこ警視にも言われたらしい。暴走して警察辞めることにはならんように注意しなさい、って。勿体なさ過ぎるからって。」
「愛情やな。」
「そうか。今日もヒイヒイ言わせて欲しいんやな。任せんかい!!」
何でこうなるのかな?と思いながら、南部は『おとなの時間』を始めた。
―完―
EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)58 クライングフリーマン @dansan01
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
そこに私は居ません/クライングフリーマン
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます