第十一話 宇宙店主、今地球日のシバシバ。十一月〇三日二〇二四年

 安酒を喰らう事しか、極短で平坦な地球人人生に幸福を感じるコトが出来ない、ソチラの地球人読者の皆様。


「エエ、はい。チミ、チミの事ね。」

 今地球年も、麦酒の旨い地球の寒い季節がやって来たみたいね。


 昨今の御洒落な麦酒居酒屋には

『麦酒フライト』、

 若しくは

『麦酒ティスティングサンプラー』

 なる商品を扱って居る店舗が多い。

 

 コレらの商品の意味は、即ち“飲み比べ”。

 お店一押しの数種類の麦酒達を、少量単位で、然も安価な値段で味わえると云うモノ。宇宙店主が足を運ぶ、地元の何軒かのクラフト麦酒居酒屋にも、必ず置いて在る定番商品だ。


 地消地産製麦酒をコヨナク愛す宇宙店主。住んで居る地元は勿論のコト、出先の土地に『地消地産製麦酒呑み屋』が在れば、必ず寄っては

「ゴクゴクゴックンコ!」

 喉を潤して頂かせて貰って居る。

「現場の皆さん?何時も美味しい地消地産製麦酒の数々、有難う御座います!」


 が、

 宇宙店主はコレ等の『麦酒フライト』、若しくは『麦酒ティスティングサンプラー』のお手頃さが嫌い。

「絶対に注文はしないし、注文した経験も皆無。」


 この“お手頃さ”と云うモノが実は曲者で、現代地球人文化の『負の遺産』なのだと思って居る。

 飲んで、味が失敗した時の失望感や、初めて試す麦酒の「伸るか反るか!」のドキドキ感の一切を排除。

 確かに沢山の手作り麦酒を飲み比べ出来るかも知れないが、果たして本当に、職地球人達が精魂込めて拵えた麦酒を心底味わえるか?

 


「イヤ、この僕タンは思わないね。」

 お金を支払うのはチミで在って、この宇宙店主では無い。だから宇宙店主には全く文句を云う筋合いは無いし、如何でもイイ情景の一個なのだが、

(主体性のカケラも無い阿呆な飲み方なんだよね、見てると。)


「分かって居る..分かって居るのだが、毎回麦酒酒場に行って、奴等が『サンプラー』を注文して、男女混合で“キャッキャ、キャッキャ🎵🎶”してるのを見ると、とても羨ましく思ふ。」

 

 

 宇宙店主

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