キクオ。

 宇宙店主少年が、十二地球歳のトキ。

 父親地球人のキクオが、自宅の改装計画をブチ上げた。

 この宇宙店主少年の生家は、凍れる雪国の過疎地に建つ、無駄ァに広い平屋。名うての糞ジジイ糞ババア共が、マンモス象の上に乗り、舗道されてない剥き出しの地球の地面を闊歩して居る様な糞田舎。

 余り“糞”などと云う汚い地球語は使いたく無いのだが、“糞”を添えると臨場感が増す。勘弁して頂きたく候。洋食のパセリみたいなモノだ。

 

 当時の宇宙店主少年には自室と呼ばれる部屋は与えて貰えず、其れまでの宇宙店主少年の部屋は、渡り廊下の一部。臭い程に部屋は家に在ったのだが、其れ迄は自室は、キクオとマリコ(特にキクオ)から貰える事は無かった。

 狭くて、細長い渡り廊下の世界、縁側添え。私生活感全く皆無。宇宙店主少年自らが、地球人力で強引に、中途半端な空間を構築。勉強机や、本棚などの高めの物を壁代わりに用い、個室感を然りげ無くお洒落に演出!地震がチト怖し!

 玄関入って右側の渡り廊下、夏は糞暑くて、真冬は底冷えして糞寒い。何せ、渡り廊下に面する縁側の窓ガラスが、屋根を押す雪の重みで開かない位なのだす。



 宇宙店主少年が自慰を覚えたのは、齢一〇地球人歳頃。その手作り自室内。家族の眼を気にしつつも、自家発電に勤しんで居た宇宙店主少年。

 そこに降って湧いた、実家建て替え計画。

 それがイヨイヨ、堂々と地球人目気にされず、ガッツリ自慰行為に励む事が叶う!

 宇宙店主少年は、“二階建て住居”を希望、お洒落な“洋式便所”の要望からの、“全室畳部屋完全排除”の要請、洋風な板張り床を挙手。遂にはトドメを刺す最後の希望、自室に“鍵付きドア”。

 コノ四つの御約束ごとを、キクオに直談判した宇宙店主少年。

 

 全て光速で却下。

 

 計画の段階では、十二地球歳にして地球人人生部屋、初の“小部屋”が宇宙店主少年に与えられる事となって居た。そうなれば、部屋の戸には鍵は絶対必須。幾ら未熟地球人者の十二地球歳と云えど、秘密にしておきたい事だって在る。特に性処理。

 なので、個室を頂いたにも拘らず、状況は以前と全く変わらず、相変わらずビクビクしながら自慰行為に更けて居た宇宙店主少年。

 


 今回の『今日シバ。』で皆さんに伝えたかった事は、限られた環境下に身を置いた方が、後々“野生の勘” を養う事が出来ると云う事。何せ何時何時、勝手に入って来るか分からない敵(キクオとマリコ、特にマリコ。絶対にノックしないで堂々と入室)の事を想定しながらの自慰行為。

 そして早く“結果”を出したいが余りに、脳味噌を最大限に駆使して産み出す“空想力と“想像力” の増幅効果。当時、インターネットなどは無く、エロ本の世界。創造力が全ての力業。


「この様な虐げられた幼少地球人期を経て、今の宇宙店主が在ると云う事実。今回の『今日シバ。』をチラ見した、新米の地球人子持ちの親御地球人さん方。御子地球人様への過剰な物質投資は決して彼等には良くアリマセン。

 限り無く“〇”に近い環境を与えて下さいネ!

 デスが愛情は、限り無く“無限大”に与えて下さいネ!


 では。



 宇宙店主

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