第9話 ミユキ..「ブッ殺す」って云う表現、今じゃ地球じゃ大問題だぜ?
“ミユキさんは靴下なんかじゃ無くて、パンティストッキングは勤務中に履かないんですか?”
何?
気持ち悪いでしょ?
この質問。
詳しくは『第一話』を『宇宙書店』で立ち読みしてみて。
この質問ね、実際にブースで個宇宙人面談をしてると良く在る質問なの。元地球人からのね。読んだんだろうね、『ミユキ、職安で働いています。』
そっから死んだんだろうね。
「ウケる!」
地球人、死ぬの超速過ぎ!
「ってかさ、アンタ達位よ。こんな下世話な質問を不躾にして来る『魂』って。」
後、私の宇宙人年齢とか、年収とかさ、身体のサイズとかさ、彼氏が居る居ないの質問とかさァ..」
地球人如きの分際で私を値踏みしないで。
小っちゃい惑星で、シコシコセコセコ生きてる地球人民族だから、多分視野も狭いんだろうね。
「アンネ?あんた達地球人民族ってさ、こっちではデリカシーが無い事で有名よ。」
後ね、コレは主に年配の地球人『魂』に多いけど、
「偉そう。」
「図々しい。」
「無神経。」
この職安星にやって来る宇宙人達は、皆んな来世の“宇宙人人生”、若しくは“物”に成る事を決定して貰う為に、必ず訪れなければいけない惑星。
生前、其の地球人『魂』が、惑星地球で権力地球人者だったろうが、皆んながヘツラウ程の財力を持ってたからって、何?
アンタの前の宇宙人人生は、もう既に終わってんの。ソレに、私には、お金や社会的地位の魔法は一切効かないわよ。
こう云う歪んだ『魂』を持った地球人の輩には、私は来世に試練を与えてるわ。生まれ変わったって、性分なんか簡単に変わるもんじゃない。
只ね、今回は地球人の『魂』で限定させて云うと、私の知って居る中で唯一の例外が居たわ..。
元は、惑星地球を猿地球人類が支配する前に、地球上で沢山のヤンチャをして来た、恐竜時代随一の覇者。『帝王』の名を欲しいがままにした“カズヤ”。ティラノザウルス也。
彼等は当時、惑星地球の持ち主だった或る大家宇宙人、サトウさんの怒りを買って絶滅させられたのは、地球人の皆んなも歴史で学んで知ってるわよね?
そう、ティラノザウルスの余りもの残虐さに、怒り狂ったサトウさんが地球を冷蔵庫に変えて、彼等の全てを絶滅させたの。
亡くなった後、そのカズヤ君が偶然、私のブースに送られて来て、私は彼の可能性に賭けたの。無言を通す彼の『魂』からは、未だ不完全燃焼の“生”に対しての荒くるしい熱い感情が感じられてたわ。この私の子宮が疼いた事はココだけの話。。
(ウぅぅン..やっちゃおうか?)
そして私は、カズヤ君を地球の平安時代中期に送ってみたの。
「“やっちゃおうか..”の表現で変な事を妄想したアンタ、煩悩がチト強すぎるわ。ブッ殺すわよ?」
地球人の皆んな、怒んないでね?
地球人人類の歴史や進化は、全て私達、職安星の面接官達の気紛れで決定されてんの。今も現在進行形でね!だから運悪く、女性宇宙人面接官が生理で、チト機嫌が悪い時とかさ、地獄を見る時も*シバシバ。
皆んなが大好きな、地球発ボードゲームの名作『人生ゲーム』の軌道修正が効かない版が、この現場では繰り返されてんの。
「でね?カズヤ君はヤッパやってくれたわ。自分の利益には全くならない事を『命』を張って全うしてくれた。」
カズヤ君はね、ティラノザウルスになる前から、数億万回の生まれ変わりを経て、やっと『漢』になれた。こう云う事実を知った時程、職安の面接官をやってて嬉しく思う事は無いわよね。だから私はカズヤ君を死後、『絶対宇宙神』に昇華させたの。
ウン、皆んなが知ってるカズヤ君よ。『第二話』読んでみて?
「エっ?コンビニエンスストアーの従業宇宙人員が、神様な訳ナイって?職業に貴賤は無いの..知ってんわよね?そんなフザケタ思想持ってっと、ブッ殺すわよ?」
「ン、何?如何したの?」
ああ、“カズヤ君”ね?
そうよねえ..アナタ達も“カズヤ君”って誰?って思っちゃうわよねえ..。
「マサやん」
平将門。
アンタ達、誰かの為に死ねる?
アっ、ヤダぁ!今この時点で約一八〇〇地球字も喋ってる!どうりでノドを潤したい感情に襲われて居るのね。何だか『ファンタ フルーツパンチ』が飲みたい。カズヤ君の所に行って買おうかしら..?
普段は敢えて、五〇〇から八〇〇地球字位で止めてんのに。簡単に数えてみても『ミユキ、職安で働いています。』の二本分位あんじゃん!
..フウ。
今宇宙日も一生懸命頑張ったわ。
「もう帰る。」
ミユキ
*碌でも無いモノに転生されるトバッチリも実際にシバシバ。
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