第3話 自分でお弁当作って持って来なよ、ミユキ。
「アラ?この物語って、もう第3話に入っちゃてんの?地球のクセして、中々の早さじゃナイ?宇宙世界の中でも後進惑星の枠に入るクセに。やるジャン、地球人。」
「そうねェ、ワタシは未だ通勤途中だから、気の効いた事は言えないけど..第1話の自己紹介の時、仕事は『神様』って云ってた事、アンタ達シッカリと未だ覚えてる?」
「其の神様のワタシは、全宇宙人の来世を決定出来る職業安定所で働いてんだけどね。ウン、そう、今其処に向かってる途中ね。」
「其処の職場の社員食堂がね、すっごい不味いワケ。幾ら味音痴の宇宙人って云ったってさ、やっぱ美味しい物を食べたいじゃナイ?アンタ達ね、宇宙人は何も食べない、何も飲まないって云う妄想は、大間違いだからね。だけど味音痴は正解、合ってる。ビンゴ。」
「マァね、職場の周りには其れなりの店が、一応は揃ってんだけどね。問題は値段が高いのよ。ウチの会社、給料が安いの。だから如何しても、コンビニエンスストアーなんかで我慢しちゃうんだけど、安くて栄養価が高い物なんか無い訳よ。だから栄養が体内に不足気味になると、今みたいに、こうやってトロトロとしか浮遊出来ないのよ。」
「アァ、もう駄目..お腹が減って、もうコレ以上は浮遊出来ない..死んじゃう、ミユキ」
「ウソよ。」
「ただトロトロ飛んでるだけ。真面目に一生懸命、浮遊しちゃうと体が疲れちゃうからね。汗を掻いちゃうと足臭くなるしね。朝の通勤段階で足の靴下が蒸れちゃう何て、女として絶対にイヤ!パンティストッキングって云う選択種も確かに在るけど、私は穿かない。あれは、あくまでも鑑賞して愉しむモノよ。あのテカリが堪んないわよね?もぉ最ッ高。パンティストッキング大好き。ワタシは穿かないけど。」
「そう、そうなのよ。さっきの社員食堂の話にに戻るけどさ、食堂全ての料理が不味い訳なの。厨房で働いてる調理宇宙人達は、多分皆、一生懸命に作ってるんだと思うけど、何事も一生懸命にやったからって、何でも許される事なんか無いかんね。ワタシには誤魔化しは効かないよ。」
「解雇すれば良いって地球人は思うかも知れないけど、少なくともワタシ達が働く職業安定所星..あ、そうそう、ココは重要な描写の場面よ。この惑星の正式名称は『第五職業安定所星』って云って、この“職業安定所星”と呼ばれる惑星が、宇宙空間の中に三〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇位在るって聞いた事がある。何せ、宇宙空間は無限だからね。」
「でさ?ワタシ達、職安の神様が決めた来世を、職安に来た『意識』は生きていかなきゃならないんだけど、この職安星の中に、来世の職業(転生)を決められた『意識』はクビに出来ないのよ。だってワタシ達が決めた訳だから。職安星の『意識』達は自分が死ぬ迄、其処の仕事から離れる事が出来ない訳。職業(転生)が保証されてんの。地球語で云うところの組合ね。ワタシ達『神様』でも、組合にはお手上げ。」
「死なない宇宙人も此処には居るわ。其れは、永久にコノ職安星で料理をしていかなくちゃならないのよ。地球で云う『地獄』よね。この後者の『意識』の方は、前世で悪い事を散々やってきたの。ワタシ達『神様』は全てを知ってるの。アナタ達の事も良く知ってるわ。永遠に調理宇宙人師って、アンタ達どう思う?ワタシなら絶対気が狂っちゃうわ。」「でね?ワタシ、ずっと前世が宇宙料理人だったって云う『意識』を待ってんだけど、中々ワタシ担当のブースにやって来ないのよ。もし来たら、ワタシの私利私欲の為に、ワタシの職場の食堂の調理宇宙人師に来世でお決まりよ。『意識』に拒否権は無いかんね。」
「アッそうだ!アンタ達は地球人何でしょ?宇宙世界でも地球人食がとっても人気なのよ。もしさ、アンタ達の周りで、もう直ぐ死にそう、其れか、今さっき死んだばっかって云う地球料理人が居たら、ワタシに至急テレパシー送って。ワタシが職権濫用で此処の職安星に引っ張っちゃうから。これがワタシのテレパシー番号ね。
『 ZV?.・“※〆〆€『]&※§ 』
「ねッ、簡単でしょ?」
「教えてくれた地球人には、ワタシが来世を何でも好きなモノにしてあげる。だけどコレは絶対に内緒よ。もしバレたら、ワタシが此処の調理宇宙人師にされられたりしてね。キャハッ、ウケる!」
ミユキ
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