第4話 ミユキ、お前がそんなに芸達者だったなんで知らなかったよ。

「分かってるわよ、言われなくても。」

「今、そっちでは第4話でしょ?」

「だからって私、急がないわよ。私には私の都合ってモンのが在んの。だけど皆んな、早いトコ私に職場に行って欲しいんでしょ?」

「分かってんの。」

「だから行かないの。」

「そう来られると、私はアア行くのよ。」

「第1話だったかしら?この職業安定所星の空が、紫色だって云ったと思うんだけど。此処の地面の色は真緑なの。どんなミドリか?って云うと、地球人が創造してる宇宙人の血の色。蛍光色っぽいミドリ色って云っても、満更大袈裟じゃ無いかも。だって光ってるのが皮膚越しに見えるモン。」

「空がムラサキ色で地面がミドリ色。凄い色彩でしょ?そして私の職安の外壁の色は赤よ、真紅の真っ赤っか。地球人人生を諦めて、惰性のみで生きるアンタ達の深層世界に残ってるか知らないけど、情熱の燃える様な赤。キャハッ!情熱なんてナイわよね、アンタ達」

「この職安星に飛ばされて来る、どんな種類の宇宙人でも、初めコノ惑星に降り立つと、先ずは色彩感覚が脳味噌を刺激して、嘔吐するところから始まるらしいわ。三色の世界に酔っちゃうのね。地球人の皆んな?今の内から地球トマト、地球ナス、地球ピーマンを同時に見詰める訓練をしておいてね。」

「けどアンタ達も、何処かの職業安定所星に死んだら飛ばされんだから。私の第五職業安定所星に振られたら良いわね。待ってるわよ。四六四九番。これが私のブースの番号。」

「指名制じゃ無いかんね。アンタ、何処と一体勘違いしてんのさ?」

「ブッ殺すわよ?」

「エっ?もっと早く物語の展開を進めてくれって?其れはコノ私が決める事。地球人ごときに言われたくないわ。」

「じゃあアンタ達、偉そうに私に文句を言うんだったら、今私が一体何処に居るか?当ててみなさいよッ!」

「ネ?反論出来ないでしょ?」

「だからコノ私の云う事を黙って聞いてて」

「今、私が居る所はねェェ..」

 

 

 

「職場。」

「其れも第一話の中盤には、実はモウ此処には居たわ。一応は主任だかんね、ダラダラした態度は見せれないジャン?」


「地球人の皆さん、改めまして。第五職業安定所星、主任のミユキです。」



 ミユキ

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