第10話 今日の宇宙店主
皆さん、どうも宇宙店主です。
この宇宙店主、天王星にお住まいのミオ夫妻の『天王星商店街カーニバル』に、今回の巨大スノードームからの、『宇宙書店』夜逃げ騒動の件で傷心気味の宇宙店主に、気を使って頂きまして。
「宇宙店主?良ければおいでよ!」
とのお誘いを受けまして、遠出をして来た、其の帰り宇宙道であります。
そして、未だに宇宙砂漠の中を遊泳中で御座います。
「エッ?その『天王星商店街カーニバル』の感想ですか?」
この宇宙店主、もし何かにとても感銘を受けた時には、皆さんに第一声でソノ素晴らしさをお伝えします。
只今、この『今日の宇宙店主 第十〇話』の行は、既に十五行目に入って居りますよね?
これが宇宙店主の感想ですよ。
一度訪れてたらモゥいいかな?
箸にも棒にも掛からない。
そんな感じでした。
「皆さん。くれぐれもミオさんには秘密ですよ?」
デスが皆さん?祭りって基本的に感動しませんよね?
さて、殆どの宇宙人の民族には“お金”と云いますか、『お金を稼がなければ生きてはいけない。』と云う風習が在りませんので、どうしても地球人の様に、ガツガツと働くと云う労働意欲が持続して出来ません。
かと云って、折角の宇宙書店を念願の地球で、『巨大スノードーム騒動』が在ったにせよ、二回目の再出店を叶える事が出来ましたので、せめて最低限の商品は、至急に店頭に揃えなければいけませんね。
「頑張って働いてみます。」
しかしマァ本当のところ、商品は『瞬間移動』で、一瞬にして『宇宙書店』に運ぶ事が出来るのですが、コンニチの地球人の生活を垣間見ると、
「全てのモノを出来るだけ早く皆様にご提供!」
と云うのが流行り、となって居るみたいでして。
ソコを敢えて、真逆にこの宇宙店主、商品をそれはユックリと入荷。
沢山の地球人のお客様の大行列が、新刊等の発売をモォ待ち切れない!と、商品が無いガラ空きの宇宙書店の店先で悶絶している様を想像してしまい、店番をナオミちゃんに任せて居る宇宙店主、実店舗にはホボ居ない宇宙店主も時空を越えて、宇宙空間で一緒に悶絶をしてしまう。と云う、この二重効果の経営方針。
他の宇宙人には味わえない、地球人ならではの『喜怒哀楽』の感情を、地球にやって来てから会得してしまいました。
「有難う御座います。」
地球人も宇宙店主達、宇宙人民族を見習って、自身を取り囲んで居る、廻りの速さに乗り込まれてはなりませんよ。
自分の信じて居る、自分だけのスピードで日地球々の生活を送ってみて下さい。
そうすれば、十京分の一くらいは宇宙店主達、宇宙人の気分を味わえる事、請け合いデスね。
などと地球人のせいにしながら宇宙店主の適当さ、堕落ぶりを正当化してしまうコノ有り様。
「この宇宙店主、もしかして経営者には向いていないのでしょうか?全く、商売っ気がアリマセン。」
宇宙店主の宇宙船の丸い小窓から覗ける、天王星からの帰り宇宙道の『太陽系銀河』。
それはモゥとても美しい光景を六万億年程の宇宙時間、この宇宙船を一時駐船して、この宇宙店主、微睡みさせて頂きます。
全くもって怠け宇宙人者で申し訳ありません。
では。
宇宙店主
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