空からパンが降ってきた

@sonryu

最期

外に出ると雨が降っている。傘をさす。

しばらく歩いてると何かの塊が傘にぶつかった感触がした。地面を見る。なんとパンが落ちているではないか。上を見る。空だ。当たり前だ。

そういえばパンを食べたいと思ったけれども、流石に落ちてきたパンを食べる訳にはいかない。コンビニで買って帰ろう。


「ただいま。」

当たり前に誰もいない。いつもの日常。

買ってきたあんぱんを食べる。普通においしい。

そういえば明日は休みだっけ。ゆっくり過ごそう。


「おやすみ。」


布団に入ってしばらく経ってもなんだか眠れない。おかしいな。疲れてるはずなのに。それに異常に空腹を感じる。さっき食べたのになぁ。


日の光が差してくる。どうやら朝になったようだ。いつの間にか寝ていた。


プルルルルル。電話が鳴る。課長からだ。休日に何のようだ。出勤命令だろうか。嫌だな。でも出ないと。


「もしもし。」

「おい。今何時だと思ってる。」

「え?」

時計を見る。10時だった。

「10時ですが。でも今日休みですよね?」

「何言ってんだ?今日は月曜日だ。寝ぼけてんじゃないよ。」

「でも寝て起きたのが今なんですけど。」

「はぁ?いいからさっさと来い!」

それで電話は切れた。

スマホをちゃんと見た。確かに月曜日だった。早く行かなきゃ。


とにかく急いだ。息を切らしながら駅に着く。電車を待ってる時間にイライラする。

「早くしろよ。」


痛みが走った。



空が見える。今日は晴れていて温かい。

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