幸せ、ありがとう、それでさ
突然蹴破られるドア。無機物になったあなたの背中には大きな包丁、幸せ、ありがとう、それでね、好きってもう一回言いたかったの。
ドアを蹴破り入ってきた男の人は今まで見た誰よりも可哀想な顔をしてて、被害者がどっちなのかは、机の上で倒れてこぼれたコップのレモンティーだけが知っていた。
震えて、立てない。この世界にただ一人になったみたい。りく君が、助けに来て、ここから遠く離れた東京の街から、私を助けに。
いたい、いたいよ、りく君。やめてよ、そんな顔しないで、りく君。
あなたは許してくれないだろうけど、私ね、あなたに言いたかったの。
りく君。幸せ、ありがとう、それでね、好きってもう一回、言いたかっただけなの。
君の笑顔は変わらないね、りく君、
す――――
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