第4話

 朝起きると天使と言っても差し支えないとても可愛らしい寝顔があった、昨日の夜の事を思い出し顔が赤くなる、でもなんだか嬉しくて隣で寝ている天使の頬にキスをする、すると唇の感覚で気づいたのか、隣の薫の目が覚める、寝ぼけているのか、私の頭の後ろに手を回して、キスをしようとしてくる、力が強すぎて抜けれない、そしてそのまま薫とキスをする、そして薫は二度寝を始める、手は離れたので先に起きて、真っ赤で火傷しそうなほど熱くなった顔のまま髪をセットしたり色々と準備をする


「ファーストキス、結構甘かったな」


 小さな声で呟く

 好きな人とのキスは甘いという噂を聞いたことがあるし、薫の唇はめっちゃ甘くてめっちゃ柔らかかった、薫で良かったし、薫じゃなかったら私は今すぐにでも死んでいただろう、今も死にそうではあるものの別物だ


「もっかいキスする?」


 薫が起きて来た、その上頬を少し赤くして後ろから抱きしめて急に聞いてくる


「さっきのわざと?」

「いいや寝ぼけて夢とごっちゃになってたよ」

「へ?夢で私とナニしてたの⁉」

「なにもしてないよ、告白が成功してそのままの流れでね。と言うか誰も天音とは言ってないけどぉ?天音は私とそうなりたいのかなぁ?」


 薫が煽ってくる。

 そのせいで真っ赤で火傷しそうなほど熱くなった顔がさらに熱くなる、それを見た薫が


「え?ほ、ホントになりたい感じ?」


 と言ってくる私はだめだとわかっていても


「なに?私が女の子のこと、いや薫のこと好きじゃいけないの?」


 妙に馬鹿にされた感じがして怒ったように言ってしまう。


「そんなこと言って無いし、言うつもりもないから、何ならかなりうれし……なんでもない」


 薫も少し怒ったような悲しそうな声で言う


 その後ギクシャクしたままチェックアウトを済ましてホテルを出る、このままデートに行く気にならなかったので、一人街をぶらつくのだった




 ぶらつき初めて数分さっそくナンパに絡まれた


「ねね、そこのお姉さん今から俺たちとさお茶行かない?」


 いつもなら『これまたこってこてのやつを』と呆れるたあとやんわり断っているのだが、今私は薫とケンカ?をして凄くイライラしているため、そんな気にならなく無視をする


 一人でいるとさっき薫と言い争ってたときの事を思い出す


「ファーストキスを奪われて、薫に私のこと好きなの?って煽られて好きって肯定して、そしたらなんか言い訳的なのを言われて、なんかその時小声でなんか言ってたけど、なんだったのだろう」


 考えすぎて自分でも気づかないうちにぶつぶつとつぶやいてしまう、周りからこいつやべーってなったのかナンパは最初の奴以外なにもない、そして気付いたら薫の家の前まで歩いてきていた、あの時薫は何を言っていたのかを薫の家の前で少し立ち止まって考えていたら、ちょうど薫が帰ってきたところだったのか、鉢合わせる


「なんでここにいるの?邪魔だからさっさと入ったら?話したいことあるんでしょ?」


 少しトゲのある言い方だが話したいことはあったので大人しく従う。


 薫の部屋に入ってから


「今日家に誰のいないから、好きにしてていいよ」


 と言われる、なら多少声を荒げても大丈夫だと思い早速本題に入る


「あの時最後なんて言いかけたの?」

「あの時って?」

「ホテルで私が女の子のこと、いや薫が好き、って言った時の事」

「………わ、私も大好きって言ったの」

「え?い、いまなんて?」

「私も‼天音の事大好きって言ったの‼」


 うーんまじかよあの時ちゃんと落ち着いてたらこうならなっかたのかなぁ、いやなってたな


 でも……急に言われもなぁ……急ではないか……いつもの言われてるか。でも気持ちの整理が……


「あぁうぅぅ……どおすればいいのぉぉ」

「私を好きにした責任を取っておとなしく私と付き合えばいい」

「めっちゃ付き合いたいけど一旦考えさせて、真剣に考えたい」


 嬉しいからこそしっかりと真剣に考えたいことある、たとえば、なんだろ?何でもいいや、でもしっかりと考えたい


 二人の間に昨日の夜のお風呂の時のような空気が流れる


「わ、私、か、帰るね」

「え…あ、も、もうそんな時間か、また明日」

「また明日」


 多分明日も明後日も結論は出ないだろうが真剣に考える、私と薫にとって最もいい方法で付き合える事を考えていこうと思う。





「かーおーるーおーきーろー」

「ん!」

「起こせってことぉ?しょうがないなぁ」

「ありがと、じゃあ着替るの手伝って」

「それくらい自分でやりなよ」


 昨日の今日でいつも通りにしているのは少し、というかかなり違和感があるが、ギクシャクするよりはいい、と思っていたのだが


「あ、あま、天音、おは、おはよう」

「うんおはよう」


 着替え終わり、ご飯も食べて家を出た後、目覚めた薫が急に、キョドり始めた


「急にどうしたの?」

「だって私昨日告白したんだよ⁉︎どうなるか分かんなくて、気が気じゃないんだよ⁉︎なんで天音は平気なの⁉︎」

「正直まだ夢だと思ってる、でも真剣に考えてるからあとちょっと待ってて?」

「むー、私以外の女か男選んだら絶対に許さないからな」

「選ぶ気ないから、安心して」


 まだ告白はしない、この気持ちはまだとっておく、重いとかいって引かれるのは本当にごめんだ、せっかく両思いだとわかったのに私のせいで蛙化現象的なものを起こしてもらっては困る


「天音、そろそろ球技大会だね、天音はバレー大丈夫そう?」


そろそろ球技大会が近いので薫が聞いてくる


「ふふん大丈夫なのだ、そう言う薫はバスケ大丈夫?」

「まぁ天音よりは大きいからねー」

「嫌味かぁー?そんな悪い子にはこしょこしょをプレゼントだぞ」

「はい確保、やめてね?私もやり返すよ?」

「むーこしょこしょしない?」

「しないからねーほっぺぷにぷにはするけど」

「らぁめぇ、らぁめぇてぇよぉー」

「やーだ」


こんないつも通りの会話このままずっといられたらいいなぁ




 ~読んでいただきありがとうございます。

 感想や、改善点、たくさん待っています。

☆と♡ぜひ付けていただけると嬉しいです。ついでに現在同時執筆中の別シリーズも見て下さると嬉しいです~

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