第6話 ストーキングされていたんだが?
ーside ハルトー
「ついたー!」
レン君が選んでくれたリオンは予想通り田舎である。
さいこー!
ここなら誰も来ない気がする。
落ち着いて物件を見て回ろうそう思った時。
後ろから、異様な膨大な魔力を検知した。
あ?
「ふーん、ハルト君だよね、良い反応だ⭐︎」
「……あなたは?」
「私は、セフィ。賢者をやっている。あまりの強者を王都で観測したので、君のついてきちゃった⭐︎」
「はあ……?」
本当にこの怪しい人が賢者なのか疑問に思って、レン君を見ると「事実です」と返ってきた。
ええー、つまり王都からここまで気配遮断してストーキングして来たってこと?
才能の無駄遣いすぎる。
「で?そんなあなたがなんの用事で?」
「ん?特に何もないよ?」
「は?」
「え?特になのもないよ?」
「……」
何もないのについて来てしまったらしい。本当にストーカだ。
「お引き取りください」
「いーやだ!あたしはこれからここに魔王をおびき寄せたんだ!」
「は?」
「ちなみに、もうそろそろくるはずなんだけど……?」
何を言ってるんだ?早く返って欲しい。
早く俺の新居に入りたい、そんなことを思っていると、空からが突然暗くなり、ブラックホールを思わせる黒い穴が空いた。
「我は魔王グランデザイア……我をおびき寄せたのはどこのどいつだ」
ええ……まじで呼んだの?というか、誰も来ない田舎に移動したのに賢者と魔王がここに来たの?
「あの……俺やっぱり王都に帰ります!」
「そんなこと言わずに!あの魔王!君にしか倒せないんだ!頼む!この通りだ!」
「ええ……」
そんなことはない気がするけど……あの自称魔王そこまで強くなさそうだし……。
「ぬ?お主か。確かにただならぬ力を感じる……ここは一発で仕留めるか、破滅の迅雷」
「仕方ない……相手は魔王だったら、光魔法がいいよね。ホーリーレイン」
俺がそう唱えると、さっきまで暗かった空が晴れ、空から聖なる雨が降り注いだ。
ーーギャアアアアアアアアアア!!
苦しみながら魔王と呼ばれる存在はだんだん小さくなっていき……消えてなくなったのだった。
「す、すごい!本当に魔王グランデザイアを退けるなんて!」
レン君がパチパチと拍手してくれる。
「はははっ!これは私の期待以上だ!」
賢者セフィは爆笑している。いや、笑い事じゃないんだけど。
「えええええええええええ!!今ので?」
なんか、よく分からないうちに魔王グランデザイアを倒してしまったらしい。
「あっ!ちなみにこの様子、あたしの魔法を通じて世界中に中継されてるから!」
「え?」
「よかったな!これで、お前は世界中の英雄だ!」
まじか……なんかよく分からないうちに英雄になってたらしい。
俺は目立ちたずにスローライフを送りたかっただけなのに。
そんなこんなで、ほとんど回避不可能なフラグばかりを突きつけながら、俺はなんだかんだこの異世界を楽しみつつあるのだった。
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-完-
[作者コメ]
ここまで読んでいただきありがとうございました!楽しんでいただけたら作者はとても喜びます!
ちょっと早いですが、ここで完結です!最後駆け足になってしまってついて行けてなかったら申し訳ございません!
以降は他の作品に集中します!また新たなネタが思いついたら、続きも書きたいです!
今後についてですが、こちらの作品を中心に連載します!
「ダンジョン工房〜作れば作るほど工房がLv.upするダンジョンで、精霊さんやもふもふと雑貨屋始めて鍛治無双します〜」
「神話の森に移住した伝説的なクラフター〜追放悪役令息と精霊さんのチートで怠惰な世界樹ダンジョン菜園〜」
「学園最強の悪役令息たる俺様への営業妨害〜破滅寸前の家に生まれた青年、真面目でヘタレでいい人な事が暴かれていく〜」
その他連載中の作品の作品も興味あったらよろしくお願いします!
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[完結]絶対に目立たずにスローライフを送りたい俺vs絶対に主人公を無双させようとする異世界 西園寺わかばEX @book_hobby
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