第2話 追放されたんだけど?
-side ハルト-
追放されたんだけど?
-side ハルト-
「ハルト、今日を持ってお前を追放する!」
「えっ……」
目の前にいる男はなんというか……古くて野蛮な格好をしている。
金髪碧眼の麗しい見た目に、これまたお綺麗な女性が周りに沢山付き添っている。
「は、はあ……」
「聞いているのか!ハルト!」
「え、ええ」
正直状況は全く掴めていないが、つまるところ、俺はライトノベルで言うところの冒険者ギルドを追放された無能冒険者なのだろう。
スローライフを送るのであればこれ以上ない好条件と言えるのだろう。
なんだ、身構えていたけれど、神様もきちんと配慮してくれてるみたいだ。よかったー。
それはそれとして、さっきから妙に力がわいてくるんだが?
「聞いてないだろ!お前!」
目の前の男が殴りかかってくる?
危ないけど、なんかスローペースに見えて、遅いかも?避けるか。
--サッ!
--!?
「あうぶっ!!」
俺が避けたせいで、冒険者の男は壁にぶつかる。
すごいスピードで殴りかかってきたのだろうか?反動ダメージも凄そうだ。
「テメェ!」
ーースカッ
「避けるな!」
ーースカッ
「嫌ですけれど」
ーーブチッ
何かが切れたような音が消える。
「このやろおおおおおお!」
ーーブォォォォォォ!!
男の手から炎が出てくる。
あっ!これやばいかも〜。
「お先に失礼しまーす」
俺は急いでその場から逃げるのだった。
「はっ……まてっ!」
やだねーっ、ーーってやばい炎がこっちに向かってくる!?
やばい、俺の走る速度じゃ避けれないかも!?
ーーどーーん
「あわわわわわ……、あつ……くない?」
なんだ、この炎全然暑くないや。
心配して損した。
「あいつ、なんであの状態で動けるんだよ……?」
後ろで例のあいつがなんか言っているが無視だ。
とにかくこの場合から逃げるんだよぉぉぉ!
ーーダダダダダダ
「にしても、さっきからめっちゃ早く走れるな、あの男の攻撃がスローペースだった事といい、あの炎に耐えられたことといいもしかして神様が俺のためにチート特典をくれたのかも?」
だとしたら、ありがたい。
この能力、存分に生かさせてもらいます。
神様は本当はこの能力を使って強くてチートなライフを送って欲しいんだろうけど、まあ、俺そういう目立った行為は苦手だしな。
この能力を使ってゆっくり田舎で快適なスローライフ送るぞー!おーっ!
そうと決まれば、そうと決まればあれ?
どこに行けばいいんだっけ?
おーーっと!?
ーースササササササ……
俺はとりあえず、町中にあったでかい建物に入る。
と言っても気づいたら、隣町っぽいんだが。さっき、森突っ切っちゃったからね。
異世界あるある、凶暴そうな魔物もたくさんいた。なんなくだけど、神様にそこら辺の知識も貰っているみたいで、この世界のことがなんとなく分かる。
そして、多分ここは冒険者ギルド。
「よーっし!早速入るかー!」
転生前の俺が持っていた手持ちに冒険者カードもあるしなんとかなるだろう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
ーー一方その頃、ハルトの上空では。
「へえ……あの子がハルト君」
ハルトは知らなかったがこの時なんかすごい人に目をつけられていたらしい。
------------------------------
絶対に目立たずにスローライフを送りたい俺vs絶対に主人公を無双させようとする異世界 西園寺若葉 @book_hobby
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。絶対に目立たずにスローライフを送りたい俺vs絶対に主人公を無双させようとする異世界の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます