第5話 宮にて→オリジスタンにて
「その晩バイルシュタイン市街地に宿していた敵を夜襲、火計をもって家々のプラスチックから有毒ガスが発生し、敵をほぼ壊滅せしめました。」
10/8、宮に帰り戦果を報告した。
宮を出ると同時に新たなる使者が舞い込む。
オリジスタンにてジャイアント・マッスル__聞いたときは吹き出してしまったが数学の位置にいる国だ__が暴れているという報告を受け、疲れのとれるまま東へと向かった。
ジャイアント・マッスルは超巨大な帝国だ。いくつもの共和国からなり、わが国の最大の敵である。東方面に最大の兵力を注いでおり、第一から第三師団、そして対マッスル専門の大隊AからCまでが動員されている。我が国の東方面第三師団が担当する前線は、これに属するオリジスタン共和国という地域である。豊かな穀倉地帯であるビブン平原、隣り合わせる鉱山地域であるセキブン山脈を有するので我々は虎視眈々とここを狙っている。征服してもいずれ裏切る三枚舌の国民性から、その分、全土を三回は征服が必要とされている。
さて、友軍に我々の部隊が到着するやいなや、不思議なほど敵の攻勢が弱くなった。前線は次第に奥へ奥へと広がる。一日で18ペイジ(1ペイジ約1.41キロ)と驚くべきスピードだ。
「やけに今日は進めるね、すでにビブン平原は勢力下にあるじゃない。」
「一年前ビブン平原までは一度征服したので、すでに我が軍が地形を把握しきっています。その上騎馬隊の得意とする平野戦ですから。おそらくセキブン山脈で本格的な攻勢に出るつもりなのだと思われます」
「ここまで計画の内って訳ね。」
ビブン平野がちょうど実りの時期を向かえているのに悠長な連中だ……。あるいは?
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