エピローグ 見合う二人 その一

「でさ、その後どうなったの?」


 茹でたキャベツの葉に生姜やパン粉などを混ぜた具材を乗せて器用に巻きながら平野平正行、秋水の息子であるは、家の居間で同じようにロールキャベツを作る父に問うた。


「うん、そのまま警察へ通報。終わり」


 出来たロールキャベツを鍋に敷き詰める。


「まあ、奴らは感心して親が用意した保釈金で娑婆に出たら、全員、坊さんになったそうだ」


「そもそも話でさ、何で石動さんと母さんがお見合いごっこをするようになったのさ?」


 鍋にはロールキャベツがぎっしり入っている。


 その鍋を持って正行は台所に行き、水を張り、固形洋風スープの素を入れる。



 正行が不在だったわけは、家の近くの農家で野獣や違法外国人が栽培している野菜や果実を盗まれないために運動部と工学部が連携して夜警のアルバイトをしていた。


 野党が現れればサイレンが鳴りバイクや自転車で駆けつけ、それでも、調子をつくのなら叩きのめす。


 または、捕獲。


 それを冬休みの一か月契約をしていた。


 対価として捕獲した動物(イノシシなど)の肉と採りたての野菜と果実、多少なりの金をもらった。


 祖父が昨年亡くなったので年末や正月などがないのも参加した理由だ。


 そのアルバイトが、昨日終わった。

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