第三話 プロを馬鹿にして喧嘩を売るということ その三
--消えた⁉
引き金を引いた若者は、あまりの速さに驚いた。
次の瞬間、両肩から激痛の悲鳴が上がる。
別のものは、地中から足が生え、顎から脳天へ衝撃が走る。
秋水とポーだ。
秋水はジャンプと同時に手短にいた若者の肩を支点にバク転をした。
体重百キロ以上の力が若者の双肩にかかる。
最小で肩の関節が外れ、最悪肩の粉砕骨折である。
ポーはサッカーのスライディングのように身を潜ませつつ滑り、その勢いで別の若者の顎を上段足刀蹴りを食らわせた。
襲い掛かる若者たちを壮年に近い中年男二人は面白いようにぶっ飛ばす。
ポーは真面目な表情を一切表情を変えずに、秋水はにこやかだ。
「お、俺たちが……」
不運なことに気絶できなかった若者が呻きながら二人に口を開いた。
「君、本当の鷹森祐樹君?」
秋水はしゃがんで同じ目線になった。
本物の鷹森祐樹は恐る恐る小さく顎を引くことで認めた。
「あー、やっぱ。『はじめまして』とは言ったけど、やっぱ、俺と君たちは前に会っているね」
「何、変なことを……?」
「星ノ宮にサバゲー愛好会の『チーム 鯖缶』って覚えいているか? 俺はそこの『傭兵』をしていた」
「よう……へい?」
「まあ、軍事顧問の真似事兼一人遊撃部隊なようなものだ」
にかっと秋水は笑った。
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