第5話 モノリス・リンク

 情報部所属ランド級スペースシップ"エイコーマル"


 サラ・イイジマは、パイロット用宇宙服を着て、待機室にいた。すでに、エイコーマルは、アトラスのもとを離れ、独自の行動に移っていた。第1小隊の後を追って戦闘宙域に向かっていった。遠くに見える光はきっと戦闘が始まっている証だろう 


 ヴァニーは戸惑っていた。接近するとやはり大きすぎる。40m程度はあるだろう巨人はSFに標準搭載されている、20㎜の機関砲では、まったく歯が立たない。第1小隊の中で残っているのは、ヴァニーとマイケルのみとなってしまった。そして二人ともミサイルを使い果たしてしまった。あと残っているのはアーウィンのレーザーが有効であることにかけるしかない。しかし、巨体のわりに敵の動きが早過ぎて、ロックオンが難しい。相対速度をゼロにしていると、巨人が放つ、謎の光線に撃ち抜かれたしまう。周りを旋回しながら機会を伺う状況が続いていた。

「隊長、俺が機会を作るので、その隙に奴を!」

そういうとマイケルは巨人に向けて加速していった

「おい、馬鹿!やめろ!」

「まさか、ひいひいおじいちゃんを殺した戦法を使うとはな。」

づぎの瞬間、彼の機が巨人と接触した。ミサイルも撃ち尽くし、推進剤もそこをつきかけていたため、爆発は起こらなかったが数秒間、時を止めることはできた。

「うおおお!」

ヴァニーはかれのSFごと、ロックオンしたレーザーの引き金を引いた不可視光線のレーザーのため、何も起こっていないように見えたが、数秒後、巨人の体は膨れ上がり、表面は解け、やがて冷えて固まっていった。多くの犠牲を払い、巨人を倒せたのだ。

「奴のサンプルを採るときに、マイケルのことも回収できるといいが…」

その望みが薄いということもヴァニーは理解していた。直撃せずともレーザーがかすったのだ、蒸発してしまっただろう。


 「ノーチラス、降下開始!」

ダニエルの号令と同時にノーチラスは高度を下げ、逆に第2小隊は高度を上げ、アトラスへと帰投していった。作戦は成功したのだ。しかし、ヴァニーはまだ、あんしんできなかった。小隊員が自分を残して戦死したからだけではないように感じている。

そのうち、かれも、回収されることとなった。しかしそれはアトラスではなく、エイコーマルにだった。

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