サッカーの神様へ

ヤッキムン

ワールドカップ

夜勤の日。

いっしょに、矢島さんと働いていた。


ちょうど、その日はサッカーワールドカップ。

サッカー大好きで、自分でもサッカーをやる矢島さん。



暗夜の休憩時間に、『日本代表は先制ゴールを決めた』という話を聞きつけ、速攻で矢島さんに教えた。


矢島さんは、家に帰ってから、録画してある試合を1から事前情報なく観たかったらしく、うちはネタバレをやらかしてしまった。

暗夜の明けた朝になっても、うちとしゃべってくれない。

そのあと半年くらい、口をきいてくれなかった。



そして矢島さんは、ヨーロッパで仕事をするために旅立つことに。

サッカーの仕事らしい。


『今まで、とてもお世話になったと伝えてほしい』と杉本さんに言って、ヨーロッパへと旅立つ矢島さん。

杉本さんから、そのことを聞く。



うちにお世話になった事をめっちゃ不思議がってる杉本さん。

「き~やんにお世話になった?そんな人いるなんて...考えられん...」

って、うちに言ってる。


「まあ確かに...お世話になったのは、うちのほう、なんだけど...」

って返したら


「そうでしょーっ...やっぱりーっ」

って、めっちゃ納得してる。



それはそうと


もう、とっくに矢島さんとは和解してる...はず...


サッカーの神様に

「矢島さんのこと、どうぞよろしくお願いします」

って、うちは思った。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サッカーの神様へ ヤッキムン @yakkimn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ