『夜の歩道橋はよくない』
「夜の散歩が日課だったんですけど、やめることにしました。その理由っていうのが、あの歩道橋なんですけどね」
そう言う同僚は向かいの道路にかかる歩道橋を指さして俯いた。
「時々コースを変えて散歩していたんですそれで、先日あそこの歩道橋を渡ろうとして、階段登ったんですけど…通路の所に人が立っていたんです夏なのに真っ黒なコートを着た背の高い男でした。それでも変ですけど…」
「回ってたんです。くるくると。
公園で小さな子どもがはしゃいでるみたいに。
黒いコートがたなびいて、手が伸びて、ずんずん遠心力で引っ張られて。
伸びて細くなって。
どうしよう?あれじゃ通れない。」
「で、振り返って逃げようとしたら呼び止められたんですよ」
「『何してんだ!?』って」
歩道橋から飛び降りかけたところを、見知らぬ男性に呼び止められたというが、彼は黒いコートを着ていてもうだめなんだよな。
いい/Hayato/理論上最速暗裏/オケツ・カユイⅠ世
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