第19話


かおりは、明らかに狼狽うろたえている…


「私は…殺人事件の犯人なんですよ?

どうして、捕まえないんですか?」


「…先程も言いましたよ。

僕は、探偵であって警察官ではありません。」


「そんな!…」


「かおりさん、そんなに捕まりたいんですか?」


「…っ!!」


「みぞし、今だ!たたみかけろ!!」


「あなたは、初めてここに来た時…

こう、言いました。“警察は初め、

私を疑いました、事情聴取も受けました“と!

…警察だって、馬鹿じゃありません。

殺害状況や、凶器、逃走手段…

現場の細かな事まで、調べてるんですよ?

犯人しか、知り得ない事も…色々とね。

だから…あなたが“犯人“ではないという証拠が

あったからこそ、未だに“逮捕“しないんです!」


「…なっ!なんで…私が犯人じゃないなんて

言い切れるのよ!?」


「…それは、あなたが…女性だからです。」


「は?…女にだってできるわよ!

どうやったか全部、聞いたんだから!!」




「はい。……誰に、何を、聞いたのでしょう?」



「…ハッ!……………あっ!!」


「…かおりさん。もう、かばうのは無理ですよ」



「あぁぁぁぁーー!!」


かおりは…その場に崩れた。。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る