第18話


「…心中お察しします、話を変えましょうか…

かおりさん、あなたが居た児童養護施設の事を

聞かせてください…そこに、

仲里 学殺害の…真実があります」


ん?……かおりの手が、ピクッと反応した。


「…私は、施設に行ったその日に…

仲里に、目を付けられました。毎日…毎日

舐めるような視線で…私を見ていました

気持ち悪くて、他の支援員や施設長に…

相談もしました…でも、仲里の態度は何も

変わりませんでした、、だから…だから!」


「……だから。仲里を?」


「…えぇ。殺しました。」


「何故、…今頃になって?」


「当時、私は…“子供“でした。

成人男性には、何をしても敵いません…。」


「…みぞし。駄目だ…何か隠そうとしておる」

ワシは、ひと声鳴いて…みぞしに目配せをした。


「かおりさん、…先程。

『殺しました。』と、おっしゃいましたが…

それは、“自供“と認識してよいのですね?」


「はい。…」


「では、ここから先は警察の方で

お願いします。僕には、管轄外な話なので」


「…えっ!?」


「ん?どうかしましたか?」


「あ、…いえ。…警察に連絡しないんですか?」


「はい。…僕は、しがない探偵ですよ?

テレビドラマの様な、事は出来ませんよ。」


「……。」


ワシは、かおりの顔を…ジッと見詰めていた

……何か、“焦って“おるな?


「かおりさん、…自首、してください。

僕が、言えるのは…これだけです。」




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