第18話
「…心中お察しします、話を変えましょうか…
かおりさん、あなたが居た児童養護施設の事を
聞かせてください…そこに、
仲里 学殺害の…真実があります」
ん?……かおりの手が、ピクッと反応した。
「…私は、施設に行ったその日に…
仲里に、目を付けられました。毎日…毎日
舐めるような視線で…私を見ていました
気持ち悪くて、他の支援員や施設長に…
相談もしました…でも、仲里の態度は何も
変わりませんでした、、だから…だから!」
「……だから。仲里を?」
「…えぇ。殺しました。」
「何故、…今頃になって?」
「当時、私は…“子供“でした。
成人男性には、何をしても敵いません…。」
「…みぞし。駄目だ…何か隠そうとしておる」
ワシは、ひと声鳴いて…みぞしに目配せをした。
「かおりさん、…先程。
『殺しました。』と、おっしゃいましたが…
それは、“自供“と認識してよいのですね?」
「はい。…」
「では、ここから先は警察の方で
お願いします。僕には、管轄外な話なので」
「…えっ!?」
「ん?どうかしましたか?」
「あ、…いえ。…警察に連絡しないんですか?」
「はい。…僕は、しがない探偵ですよ?
テレビドラマの様な、事は出来ませんよ。」
「……。」
ワシは、かおりの顔を…ジッと見詰めていた
……何か、“焦って“おるな?
「かおりさん、…自首、してください。
僕が、言えるのは…これだけです。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます