第3話


「どーぞ、お入りください」

溝島が、依頼人を中へ通した


その女性は…おずおずと

来客用のソファに腰掛けた…


と、デスクの上に居たワシと目が合った


「可愛い猫ちゃんですね」


「いやぁ~そんなに可愛いくないですよ(笑)」

お茶を、運んで来た溝島が言う


「…そうですか?」


「おい、みぞし。早く依頼を聞け」


「ちょ、ちょっと!ねぎとろさん!

喋らないでくださいよー(焦)」


「?…猫ちゃんと、話せるんですか?」


「えっ!?…アレ?…いやぁ、

そんなわけないですよね〜猫は喋りません!」


どうやら…ワシの声は

みぞしにしか、聞こえないらしい


「あ!えっと、今日はどんなご依頼でしょう?」


「…はい、私の夫が殺されたので……

その、真相を知りたいんです…。」


「ご主人が…殺された!?」

溝島は、素っ頓狂な声をあげた…


「……はい。一週間前の、殺人事件は

ご存知です…か?」


「えっ!?…あの、猟奇的な事件?!」


「はい…そうです。」


?!…なに?あの害者の妻なのか!!

「みぞし!詳しく話を聞け!!」


「あの、でも…さっきニュースで

犯人が…自殺したって報道されてましたよ?」


「それは…。」


「何か、不審な点でも?」


「……警察は初め、私を疑いました

事情聴取も受けましたし……。」


「そうなんですか…。しかし、

“真相を知りたい“とは、何か心当たりが?」


「…いえ。……ただの、違和感かも知れない。」



「うーん。…ねぎとろさん、どうします?」


「勿論、引き受けるに決まっとる!」




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