第16話

目の前の光景を呆然と見つめながら、私は震える自分の体を強く抱きしめる。




ベッドに飛び散る赤いシミ。



そこへ寄り掛かるように体を預けながら、浅い呼吸を繰り返す日下。




そして私の腰に巻きつく腕が握っている───拳銃。




ひゅっ、と私は息を呑んだ。





「どう?あんたと同じことしてみたんだけど」


「ッ、……お、まえ………!」


「でも流石に手とか足には仕込めないからさぁ、正直撃たれたところちょっと痛くて腹立ってんだよねぇ」




光流は私の肩に頭を乗せながら日下へそう告げると、傍に転がっていた日下の拳銃を遠くへ蹴り飛ばす。


そして小首を傾げながらニタリと笑って、





「……今度こそ脳天ぶち抜いてあげるよ」





彼の頭へ、銃口を向けた。

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