第7話
「っ、由奈……?」
気付けば、背に庇うようにして光流の前に立っていた。両手を広げて、体を震わせながら日下と対峙する。
そんな私の姿を見て、光流が小さく息を呑む音が聞こえた。
「っ……由奈、一体何して……」
「…………お願い…」
「!」
「お願い……光流を、殺さないで……っ」
焦る光流の声を無視して、私は日下に懇願する。……それは即ち、交換条件を飲むという私の答えだった。
日下が静かに口角を上げる。
背後で私の言葉を聞いた光流は、慌てて大声を荒げた。
「ッ、由奈!!駄目だ、何もするな!
俺は大丈夫だから、早く部屋から出て────!」
「光流」
「!」
「……光流、もういいの」
そう言った私の声に、光流が言葉を止める。
静かに顔だけ振り返って彼に小さく笑みを向ければ、光流は大きく目を見開きながら、私を見上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます