第6話

光流は私の味方だと言うけれど、私はそれをすぐには信じきれなかった。



まだ、真実を知らなかったから。



私の信じてきた世界を、信じてきた日下ひとを、失うこの瞬間まで。


私は光流を信じきれなかった。

希望を持ち続けてしまった。





「俺と一緒に行くと言え、由奈」


「っ、由奈……駄目だ、言うな……」





───だからバチが当たったのだ。


二兎を追うものは一兎も得ず。欲張ってどちらも求めた結果、私は今、どちらも失おうとしている。




目の前では、ずっと信じてきた男が銃を向け、私の味方を殺そうとしていた。


腕からも足からも血を流し、その場に崩れ落ちる光流。私を守るために、悪魔から私を守るために───。





「由奈……ッ、」





このままでは、光流が死んでしまう。



そう思った瞬間、考えるよりも先に体が動いた。

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