エピローグ


 ある日、クレメントと玻璃はりがふらりとリリット村に立ち寄ってみると、リリット村の三人娘、琥珀こはく翡翠ひすい須臾しゅゆと大勢のおちびちゃんたちに出迎えられました。

 ふたりは歓迎され、手厚いおもてなしを受けました。

 須臾たちは火の扱いも手慣れたもので、薬草ムーンミントで包んだ木の実や動物の肉をフライパンで痛め、お皿に移してお客さんの前に差し出しました。

お肉と木の実の薬草巻きムーンミントロールです。お熱いうちにめしあがれ」

 クレメントは一口食べて目を輝かせました。

「うむっ、これは絶品ですね。どう、玻璃?」

「ん、げきうま」

 と言って玻璃はりもぱくぱく食べました。


「あのォ、瑪瑙めのうというやんちゃなリリットを見かけませんでしたか? 旅に出てもう三年以上も経つんですけど、音沙汰がさっぱりなくて」

 と須臾が心配そうに尋ねました。

「瑪瑙ですか? 会ったことがありますよ」

 クレメントは答えました。

 玻璃も「知ってる」とうなづきました。

「ほんとに? 今どこにいるの?」

 と翡翠が身を乗り出して尋ねました。

「さあ、どこにいるのやら。ずっと旅を続けているようでしたからね」

「まだ旅をしているなんて!」

 琥珀が驚いていました。

「あの子、種をもらえたんだろうか?」

 すると、クレメントはにっこり微笑んで言いました。

「種ならたくさん持っていましたよ。何を隠そう、私も瑪瑙に種をあげたんですよ。そうそう、瑪瑙は一番最初にもらった種を、いっとう大切にしていましたよ。シルユリというユリコーンからもらった種をね」


 それを聞いてリリット村の三人娘はほっとしました。



第三章 おわり

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ここまで読んで下さってありがとうございました。

瑪瑙たちの物語はもう少し続きます。

第四章では、いよいよ(?)アル・ブレヒトたちが登場します。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

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