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 年が明けたころ、僕は相も変わらず、仕事上がりの彼女を車で拾って近くのインドカレーの店に行った。


 彼女は、自分が食べたいものを言わず僕に合わせてばかりだから、もう割り切って僕が行きたい気分の店を選んだ結果、その夜はそれだった。


 店に入って、彼女は過去に来たことがあるのを打ち明けた。

「でも、ここのお店、おいしいよ」


 何ということもない会話だったが、今思えば、彼女はひどく退屈そうに見えた。


 さすがに一緒に食べていても、僕の話に上の空である彼女は、単にたまたま疲れているのかどうか気になってきた。

 それで僕も新しい話題を振る気力も萎えてしまい、ついには黙り込んでしまった。


 たまたまそうなら今夜は仕方がない、で済む話だが、その希望は次に誘ったときに失望となった。



「やめとく。今付き合ってる人がいるから」


 そういうメールが返ってきた。


 つまり、あの夜の彼女は、変でも何でもなかったのだった。

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