第五話
引っ越し業者が、新しい我が家に出入りしている。
前に住んでいた家よりも都心にある、タワーマンションの最上階。
父が事業の一つに失敗したとは言えども、母の経営する会社の方は未だ好調だった。
三年ほど前に、有り余るほどの財産を使って買ったこのタワーマンション。
もう家があったから、最上階は定期的に清掃業者に出入りさせていたほかは放置されていた。
当時は愛のあふれる家庭だったから、投資の一つとして購入しただけだった。
それが、今になって我が家になるとは。
どこまでも皮肉なことだ。
セキュリティーは万全だし、揃えられている家具も高価なものばかり。
だけど、違う。
何かが、違う。
この、ぬぐい切れない違和感は、何だろうか。
私には、わからない。
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