第11話 リサイクルセンター侵入作戦

 僕たちはリサイクルセンターの前に立っていた。周囲に人の姿はない。入り口はすぐに見つかって、思ったより小さい。それは良いんだけど問題発生だ。まあ、予想はしていた問題だから、焦ることはないんだけどね。


 リサイクルセンターの入り口の扉は固く閉まっている。近くにはバター猫のケースを入れる穴も見当たらない。簡単には開きそうにないが……どうするか。困ったね。


「メカニック。君、こういう扉の空け方は分かる?」

「どうやら、電子キーをスライドして空けるタイプの扉だな。これは」

「電子……あ、じゃあハッキングとかできないか? 君はそういうの得意だろ」

「馬鹿かおめえ。俺を便利な魔法使いか何かと思ってないか?」

「あ、駄目なの?」

「駄目だな」


 そっかあ。名案だと思ったんだけどな。残念。


「鍵付きの扉ってのはな……鍵の形式が変わっても、扉の方は大抵同じ作りなんだぜ。鍵を使ったら扉の出っ張ってる部分が引っ込んで、それで開けられる仕組みになってるのさ」

「つまり?」

「ズルをして扉を空けるのは難しいって話だ」

「なるほど」


 じゃあ、この扉から侵入するのは諦めるしかないね。臨機応変に行こう。


「なら、どうしようか?」

「窓でも壊して侵入するのがベターだろうな。窓があればの話だが」

「オーケー。窓を探そう」


 窓は、なかなか見つからない。どうも、僕が想像していた建物の作りと違うようだ。換気とか、どうしてるんだろうね? 妙だよね?


「それにしても、大きな建物だねえ。さっきの扉は普通の大きさだったけど、リサイクルセンター自体はかなり大きさじゃあないか。そう思うだろ。メカニックも」

「リサイクル工場とでも言った方が良いかもな。窓は……この調子だとないかもしれないがよ。工場なら物を運ぶための出入口はあるはずさ。そっちの方でも見つかれば、侵入できるかもしれないんだが」

「他に出入口があるの? じゃあさっきの扉はなんなのさ?」

「知らねえ。作業員か、技術者か、管理者か、その辺の仕事してる人間用の扉だろ」


 ふぅん。まあ、今の僕たちは侵入できる場所を探すのが優先か。そんな風に考えながら、建物の中に入れる場所を探す……探す……そうして、しばらくの時間が経ち、僕たちはようやくリサイクルセンターの出入口らしき場所を見つけた。


「シャッターが閉まってるな」

「の、ようだね。これシャッターって言うんだ?」

「はあ……おまえにはまだまだ教えなきゃならんことが沢山あるな。ラビット」


 僕たちの前には大きなシャッターがある。その近くにバター猫のケースを入れられそうな穴も見つけた! ここから建物に侵入できるか試してみよう。

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