第3話 vs包帯男

「……戻ってこねぇな」

「……うん」


 お菊さんとのバトルの後、ムジナを保健室に連れていって四日経った。しかし、ムジナはまだ帰ってこない。なので、シフは今ヘラに保護されている。保健室で面会を求めても、保健室の先生が許可してくれないのだ。


「あ、もうこんな時間!この前できた友達と遊びに行くんだ♪」

「そうか。気をつけてな」

「はーい!」


 ムジナ大丈夫かなと心配してても、思いつくのはトイレの件。きっと、怒られているんだろうなと考えていた。


 するとシフが帰ってきた。考えていた時間がよっぽど長かったのだろう。空の色が変わっていた。


「ヘラさん!」

「何だ?」

「ここ数日、ミイラが出るんだって!あ、でも、巻いてる物が新しい物だから、どちらかというと包帯かも。でね、ちょっとずつ包帯が千切れてって、その先が保健室に繋がってるんだって!それってもしかすると……」

「……ムジナが包帯男にされたって?冗談だろ?!」

「でも、見た人がいっぱいいるんだもん」


 シフは肩をすくめる。


「……これは確認しないといけないな」

「でしょ?早く行こ!」

「何を言っている?シフは残れ」

「どうして?!」

「俺が解決したことがなかったからだ!だから俺が行く」

「……うん」


 ──本当は……ムジナを助けるためだけどな。ムジナを助けないと……。いや、絶対に助ける。命がかかってるんだ。


「……上の階か」


 たった一人で保健室に向かったヘラ。

 とりあえず待ち伏せることにしよう…………。


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