イチャイチャ

 あー、どうするかな…

 

 

 オレ、優馬なんですけどって自己紹介する⁇

 

 

 …

 

 うーん…

 

 

 …

 悩んでいたら、柚穂がオレを兄貴と勘違いしたまま話し出した。

 

 

「わたし…もっと早く素直になっておけば良かったな。」

 と。

 

 …

 

「えと…うん。」

 

 …

 

 あ、柚穂って呼べばオレって気づくかも?

 たぶん兄貴は、ゆーたんって呼んでいるはずだし…。

 

 だからオレは、自ら身バレするために柚穂って呼ぼうとしたんです。

 

 そしたらさ…

 

 

「優馬ってバカだよねー」

 って、いきなり本人を目の前にして柚穂がオレをディスり出したんですよ?

 

「あのー…それは言い過ぎなんじゃ…」

 

 もしかして、オレって気づいてる?

 

 

 …

 

 

「そんなことない!優馬は、バカだよ。優しくて、ほんとバカすぎて…ありえない。あんな人を好きになる人の気がしれない。優馬の彼女とか、マジ羨ましいし‼︎」

 

 なんて言っておりますね…

 

 

 ⁇

 

 …

 

 めっちゃ言われてる…かと思えば、褒めてる⁇の?

 

 …

 

「それは…褒めてんの?どうなの?」

 

「どうなのって…そりゃいつも、こんなわたしにかまってくれて…なんだかんだでわたしに合わせてくれて…そんなのって…そんな人を普通さぁ…そりゃ…ね…」

 

 ん?

 

 てかさ、柚穂って…なんかオレのこと好きみたいな言い方すんな…。優しいとかさ…

 

 

 彼女が羨ましいとかは、ちと意味不明ではありますけどね。

 

 そもそもオレには、彼女おりませんからね。

 

 

 いたらってことなのかな⁇

 

 

「柚穂も優しいじゃん。」

 

「そんなこと…ないよ。やっぱりわたしと優馬じゃ釣り合わないんだよねー。だからわたしは、選ばれなかったのかな…」

 

 …

 

 選んでおりますけどね?

 

「柚穂、オレ優馬なんですけど…。いい加減気づいてよ」

 

「かず兄…それは、意味わかんないから。」

 

「いや、マジなんだよね。」

「うそ、優馬が来るわけないよ。だって優馬…ほんとは心の中で、わたしのこと迷惑って思ってるんだもん…わたしは、こんなにも優馬を…」

 

 

 あれ?

 

 これは…柚穂って…もしかしてほんとに…オレのこと好きなんじゃね?

 

 オレは、てっきり柚穂は兄貴が好きなんだと勘違いしておりましたよ…。

 

 

 

 

「やっぱり柚穂ってかわいいな。なんか勘違いしてるところとか、ぜーんぶめっちゃかわいい。今すぐ抱きしめたいんだけどいいかな?」

 

 …

 

「えっ、それはやめてよ。かず兄らしくない発言だね…」

 

「うん。だってオレ優馬なんだって…こっち向けよ…」

 

 …

 

「え…ほんとに?」

「うん。」

 柚穂は、慌ててこちらを振り向いた。

 

 

「あ…、えっ…と…あの…な、なん…なっんいつから………え?」

 

「ごめん、兄貴のフリして入ったんだ。じゃないと柚穂オレのこと部屋に入れてくれなかったでしょ?」

 

「そ、それは…もちろんだけど…えっと…」

 

 

「柚穂、オレ彼女いないんですけど?」

 

「え、でも…かず兄が、優馬に彼女できたって言って…」

 

「もしかして、聞き間違いかもよ?」

 

 

 柚穂は、はやとちりなところがあるからな。

 

 

 たぶん、聞き間違えたのだろう。

 

 まぁ、オレもはやとちり人間だけどもさ。

 

 

「勘違いか…」

 

「うん、きっとね。なぁ柚穂、やっとオレ、柚穂のこと捕まえることできたわ」

 って言いながらオレは柚穂を抱きしめた。

 

 抱きしめられた柚穂は、

「うん、捕まった。このままずっと捕まえててよ」

 ってオレにしがみついたじゃありませんかっ‼︎

 

「こんなかわいいやつ、絶対離すわけないじゃん」

 

「「ふふ」」

 

 オレたちは、顔を見合わせて笑い合った。

 

 

 そして、抱き合ったままキスをしたのでありました♡

 

 

 

 後で兄貴に聞いたんだけど…柚穂は、やっぱり勘違いしていたみたいだ。

 

 

 優馬から彼女できた?って聞かれたって言ったんだけど、柚穂ちゃんは、

 優馬に彼女できた…までしか耳に入らなかったみたいだねって。

 

 

 ちなみに、兄貴の彼女の名前がゆめのさんというらしい。

 

 だから、ゆーたんと呼んでいるそうだ。

 

 オレも勝手に柚穂のこと、ゆーたんって言っているんだと勘違いしてたから、オレたちはお互い勘違いをしていたみたいだ。

 

 

 そんなこんなで、オレと柚穂は付き合うことになったのでありました♡

 

 

 

 

「柚穂、デートのやり直ししよ?」

「うん、じゃあ寝て?」

 

「え?寝るの⁇」

「そ!寝て」

 

 言われるがまま柚穂のベッドに寝た。

 

 

 …

 

 これでいいのか?

 

 なんなんだ⁇

 

 

 よくわからなかったけど、寝ていたら柚穂が、

「あなたぁ♡朝よ、起きて♡」

 チュ♡

 ってしてきたんですよ‼︎

 

 

「おい、デートっていうか色々すっ飛ばして夫婦の休日になってんじゃねーか。」

「ふふ、たしかに」

「ほら、おいで柚穂。おじさんがたっぷり可愛がってあげるから〜♡」

「キャー、変態に攫われた人になってんじゃん」

「まぁな、とにかくせっかくの休みだ。夜までイチャイチャしようか」

 

「…そんなに長くはお腹空くー」

「たしかに」

 

「「ふふふ」」

 

 こうしてオレたちは、また顔を見合わせてキスをして初めて付き合った日記念のイチャイチャをするのでありました♡

 

 

 

 

 おしまい♡

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幼馴染が馴染み過ぎた結果、にじんだよね 猫の集会 @2066-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ