二人って…

 次の日、いつも通り柚穂がやってきたのできちんと靴下をお返しいたしました。

 

 

 片方だけね。

 

 

「あ〜、昨日ポケットに一足しかなくて探したんだよー。こんなところにあったんだ。サンキュー」

 と軽くいう柚穂。

 

 

 なんかイラッとしたから、

 

「めっちゃ臭くて気絶したおかげで朝までぐっすりでしたよ。こちらこそサンキュー」

 って返してやった。

 

 すると柚穂は、

「え…変態。」

 って言いながらその靴下をオレに投げてきたんよ?

 

 

「おい、きったねーだろ」

「嘘つかないで、ほんとはにおい嗅いで喜んでたくせにっ!」

 と言い放ち顔が赤くなっていた。

 

「バーカ。そんなことしていませーん」

 ってオレが返すと、

「どうだかね〜」

 なんて言いながら、いきなりオレの布団にまた入り出した柚穂。

 

 

 また、なんか脱ぐつもりか?

 

 なんて、見ていたら…

 

「一気に疲れたから、からだ半分だけ休ませて」

 って言って横になったんよね…

 

 たしかに半分…てか、横向きで転がってるけどさ…

 

 それはからだ半分休むっていうんかね?

 

 もう、意味がわからないので放置することにいたしました。

 

 そんな意味不明な幼馴染を放置していると、下から母さんがご飯よーって呼んだんだよね。

 

 だからオレたちは、ドタバタと階段を降りた。

 

 

 

「おう、仲良しだね」

 リビングに降りると兄貴にからかわれた。

 

 …

 

 兄貴は、今…ヤキモチをやいて仲良しという嫌味を言ったのだろうか…?

 

 

 でも、顔はムスッとしていない。

 

 

 …

 

 

 よくわからんが、夕飯を食べだした。

 

 

 そしたら、兄貴がいきなり

「明日デートだから夕飯いらない」

 って言いだしたんよ。

 

 だから、オレは…

 

 ブホッて、味噌汁吹いたよね…。

 

 デート…

 

「うわ、きたな…てか、デートいいなぁ!どこいくの〜?」

 

 なんてバカップルが話しだしたかと思ったんですけど…なんか聞いてると…違和感…。

 

 

「どこ行こうかな…。やっぱり夜景が見えるところとかサプライズで連れて行ってあげようかな?」

「えー、サプライズとかいいなぁ。わたしも行きたい」

 

 ってね?

 

 ん?

 

 おかしくない?

 

 サプライズなのに…言っちゃってるし…

 

 わたしも行きたいとかって…なに⁉︎

 

 いやいや、あなた方…付き合ってるんですよね⁇

 

 

「え?」

 

 オレの、え?にこっちをみる柚穂。

 

 

 そして…

 

「うちらもデートする?…わけないか。」

 なんて柚穂が言いだしましたが⁈

 

 

 …

 

 え?

 

 えっえっえええぇ⁇

 

 

 これはどういう状況なのでしょう?

 

 もしかして…二人って…別れたん⁉︎

 

 

 オレに色目使ってヤキモチやかせようとして、兄貴に愛想尽かされた⁉︎

 

 

 …にしても、兄貴も新しい彼女すでにいるとか…おかしくね⁉︎

 

 …

 

 こ、これは…

 

 

 柚穂…フラれ…た?

 

 

 兄貴のやつ‼︎

 

 柚穂が可哀想じゃねーかよ‼︎

 

 

「いいよ。デートしても」

 

 柚穂が可哀想だから、オレはデートを了承した。

 

「え?ほんとに⁈怒られない?」

 

 ってびっくりする柚穂にオレは頷いた。

 

 そして兄貴に、

「柚穂とデートしてもいいんだよね?」

 って確認した。

 

 そしたら…

 

「だって。いいよね?母さん」

 ってなぜかお母さんに話をふる兄貴…

 

 

 そしてにっこりしながら

「もちろん」

 と答える母さん…

 

 

 おいおい兄貴…‼︎

 

 母さんに委ねんなや‼︎

 

 

「おい、にーちゃん‼︎ガチだぞ⁉︎」

「うん、行ってきな?」

 

 …クッソ‼︎

 

 なんでそんなに余裕ぶっこいていやがる‼︎

 

 柚穂が可哀想じゃねーかよ‼︎

 

 

「柚穂‼︎デートめっちゃ感動するところ連れてってやるからな‼︎兄貴よりもいいサプライズするから、楽しみにしとけよ!」

 って兄貴の前で言ってやったよね。

 

 

 そしたら…兄貴が

「いや〜、若いっていいなぁ」

 って余裕ぶっこいて味噌汁をすすったんよ⁈

 

 

 なんなん‼︎

 

 その、余裕は⁉︎

 

 柚穂なんて、もうどうでもいいってか⁉︎

 

 柚穂は、傷ついていないかとみると…

 

 柚穂は、なぜか嬉しそうにご飯を頬張っていた。

 

 

 …柚穂、壊れたんだね。

 

 可哀想に。

 

 って心からあわれんだよね。

 

 てかさ、さっき怒られない?って言ってた気がするんだけど…

 

 

 だれに怒られるの?

 

 

 兄貴⁇

 

 

 …

 

 

 兄貴は、兄貴は…

 

 怒ってなかったな。

 

 

 むしろ、余裕の笑みって感じだったよね…

 

 

 柚穂…兄貴に行くなよって言ってもらいたかっただろうに…

 

 

 いつのまに兄貴は、新しい彼女なんかつくりやがったんだよ‼︎

 

 

 そんでもって、なんで別れたのに普通に横に並んで夕飯食ってんだよ‼︎

 

 って、少し腹立たしかったよね…

 

 なんなんだよ‼︎

 

 まったくさぁ‼︎

 

 

 …

 

 

 

 続く。

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