勇者ヒッグスはまだ勇者

毛虫グレート

第1話 勇者ヒッグスはまだ勇者

作:毛虫グレート


 ボトム村の娘、ミューは祖父の部屋の暖炉の前の椅子に座っていた。祖父はヒッグスという名前で腕のいい家具職人だった。この椅子も祖父の作ったものだ。ミューは祖父のことが好きだった。おじいちゃん子だ。

 その祖父が家具職人も引退し、このところめっきり弱っていたのだが、風邪を引いたかと思うとぽっくりと亡くなってしまった。

 その葬式の準備で昨日から家族みんな大慌てだ。ようやくひと段落ついて、こうして祖父の部屋で一人になると、じわじわと悲しみと喪失感が湧いてきた。

「おじいちゃん」

 ミューは胸のペンダントを握りしめた。つい先日、二十歳のお祝いに祖父がくれた御守だった。

『これは特別なタリスマンだ。わしが昔、王国のチャーム王女から授かったものだ。この二つとない宝物は、我が家のお姫様の胸元にこそ相応しい』

 祖父はそう言って笑った。古びたペンダントはとてもそんな宝物には見えなかったが、ミューは嬉しかった。思えばそれから、祖父は日に日に弱弱しくなっていったのだった。なにか予感するものがあったのかも知れない。

 祖父は勇者ヒッグスだった。

 そう言うといつもみんなに笑われた。

 ヒッグスは村一番のほら吹き。みんな口をそろえてそう言うのだ。

 今でこそ村は平和だけれど、祖父の若いころは魔物がそこいらじゅうをうろつき、人間たちはビクビクしながら暮らしていたそうだ。これは本当。そしてその魔物を束ねて、悪行の限りを尽くした魔物がいた。魔王バリオンだ。王国の戦士たちがこぞってバリオンを討伐しようと立ち向かったけれど、ことごとく返り討ちにあっていた。これも本当。

 そんななか、ボトム村の騒がしい若者、ヒッグスが『オラが魔王を倒してくる』と言って旅立った。村の者たちはどうせすぐ帰ってくると思っていたが、待てど暮らせどヒッグスは戻って来ない。葬式も済ませて、もう誰もヒッグスのことを口にしなくなったころ、ひょっこりと彼は戻って来た。

 精悍な戦士姿になっていたヒッグスは、『魔王バリオンを倒してきた』と宣言した。しかしだれもそのことを信じなかった。

 なにしろヒッグスといえば、ほら吹きで有名な男だったからだ。ところが、ひと月たち、ふた月たちと時が過ぎるにつれて、村の周辺から魔物が姿を消していき、王国の中心部から出稼ぎで帰って来た者たちも『どうも魔王がいなくなったようだ』と言うではないか。

 結局、魔王が姿を消したことだけは確かなようで、やがて王国の各地で『我こそは魔王を退治した勇者である』と名乗り出る者が次々に湧いて出た。そうなっては死人に口なし。魔王が姿を消した以上、言った者勝ちの状況となったが、なにしろ数が多い。誰が本当のことを言っているのかわからなくなり、うやむやのまま魔王の時代は終わりを告げたのだった。

 ヒッグスもその自称勇者の一人として扱われたのだが、彼の魔王退治宣言は、同様の自称勇者たちの中でもはっきりと早かったことがわかった。他の自称勇者たちは、魔王や魔物の姿を見なくなってしばらくしてから騒ぎ出したからだ。村人たちは、ヒッグスは情報が早く集まる王都で乞食でもしていたのだろうと噂しあった。

 そんなこんなで勇者ヒッグスは、村に帰ってからは剣を置き、家業だった家具職人を継いだ。村人たちは、ヒッグスがおりに触れて語る魔王退治の物語を、笑いながら聞いてやった。

 ほら吹きヒッグスと呼ばれてはいたが、彼の語る大ボラは痛快で楽しいものだった。

 やがてヒッグスは嫁をとり、息子が生まれ、その息子も家具職人になり、生まれた孫娘がミューだった。ミューも今では家具職人の見習いだ。

 ミューは子どもの頃から祖父の語る魔王退治の大冒険に夢中になった。ほかの女の子たちがおままごとや編みものに夢中になっているなかで、ミューだけは男の子にまじってチャンバラごっこに興じた。

 そうして遊んでいる時に、村に迷い込んで来た猪のような魔物が作物を荒らしているのに遭遇したことがあった。ほかの男の子たちが尻込みするなか、ミューは血気盛んに木刀で飛び掛かったが、蹴っ飛ばされて意識を失ってしまった。家に連れて帰られ、両親からこっぴどく叱られたあと、祖父はミューを部屋に呼んで、秘密のおまじないを教えてくれた。

 魔除けの呪文だという。

 ミューはそれを何度も繰り返して覚えた。

 祖父はいつもミューの味方だった。そしてミューの英雄だ。ほかの誰が祖父をほら吹きだと馬鹿にしても、ミューだけは信じていた。勇者ヒッグスが、まごうことなく勇者ヒッグスだったことを。

「早すぎるよ、おじいちゃん」

 ミューは、祖父のいなくなった部屋で、彼のお気に入りだった椅子に向かって呟いた。

「もっと教えて欲しいことがあったのに」

 滔々と湧いてくる祖父との思い出の中に浸りながら、ミューは夢うつつでおまじないの言葉をつぶやいていた。


『フォトン、レプトン、グラビトン』


 すると、胸のあたりが温かくなった。祖父がそこにいるような気がした。

「おい。ミュー。おいってば」

 夢心地が破られ、声のしたほうを見ると、窓の外から青年が手を振っていた。隣の家に住むボースだ。

「なによ。なにか用?」

「いや、用っていうか。気落ちしてないかなって」

 気分を害したミューに冷たい声で言われ、ボースはバツが悪そうに頭をかいた。

 同い年のボースは、子どものころからミューと同じく勇者ヒッグスの信奉者で、よく二人並んで、彼の冒険譚を聞いていたものだった。しかし、ある時からボースはほら吹きヒッグスの弟子だとからかわれるのが嫌になり、ミューの家に寄り付かなくなった。

 ミューは憤慨したが、大人になった今では、彼の立場もわかる。ほら吹きヒッグスの話を信じ続ける自分のほうがどうかしているのだ。

「明日の葬式、俺も行くから」

 ボースがぶっきらぼうにそう言うと、ミューはようやく笑顔を見せて「そう。ありがとう」と言った。


 次の日が、勇者ヒッグスの盛大な葬式だった。

 村の墓地に埋葬し、僧侶が祈りを捧げ、親族たちがこうべをたれてそれを神妙に聴く、というところまでは、ほかの葬式と変わらなかったが、そのあとがすごかったのだ。

『俺が死んだら、村中の人間を呼んで派手に送ってくれ』

 それが祖父の遺言だった。

 祖父から父と母に無造作に渡された袋には、信じられないほどの大金が入っていた。家具職人をしながら溜めたへそくりだった。

 本当に祖父が死んだとき、その袋を前に家族会議が開かれた。母は「家の建て直しに使いたい」と主張した。それに対し、ミューは、断固祖父の遺言を守るべきと言い張った。その言い合いをじっと聞いていた父がおもむろに口を開いた。

「お袋を早くになくしてから、親父は男手ひとつで俺を育ててくれた。そんな親父が、酒も、女遊びにもせずに溜めた金だ。親父の好きにしてやろう」

 そうして、村一番の壮大な葬式が開かれることとなったのだ。

 ボソン村では元々、埋葬のあと、精進落としとして参列者の宴席が設けられるのが慣例だったが、今回は、村の広場を借り切って、本当にだれでも来て構わない、という大盤振る舞いの宴となったのだった。

 広場の入り口には『勇者ヒッグス葬式会場』という横断幕が張られ、村人たちが次々とそこをくぐっていった。

 受付役のミューはてんてこ舞いの忙しさだった。

 記帳では追いつかないので、準備しておいた名簿に墨を入れていくのだが、あっという間に筆が一本駄目になってしまった。

「このたびはご愁傷さまだねえ。これ、すくないけど」

 そう言って香典を渡してくれる人もいたが、特に親しくもしてなかった人にも全員声を掛けたのだ。集まった香典も微々たる額で、この調子では祖父のへそくりは本当に残らないかも知れなかった。

 しかし、ミューは嬉しかった。いくら飲み食いの特典がついているからといっても、これだけの人々が祖父の葬式にやってきてくれたことが。

 広場にはそこらじゅうの店や家からかき集めたテーブルや椅子が所狭しと並び、喪主である父の挨拶など聞いていない連中が、さっそく乾杯をはじめていた。

「しかし、あれだな。ヒッグスはよお。あれは大した男だど。なにしろ魔王を倒したんだからなあ」

「魔王を倒したんだっけな? 魔女じゃなかっただか?」

「なんでもよかろう。勇者ヒッグスに乾杯じゃ!」

 みんな口角泡を飛ばしてヒッグスの思い出話に花を咲かせていた。


ようやく来場客の群れも落ち着いてきたころ、受付のミューの前に見覚えのない若者が立った。

 あ、かっこいい。

 男前っぷりに思わず見惚れたミューだったが、すぐに緊張感が走った。

 実はミューは今日、ある期待を持ってこの葬式を迎えていた。

 というのも、幼少期から何度も聞かされて育った勇者ヒッグスの冒険譚には、旅の仲間がいたのだ。ヒッグスよりも年長だった戦士と僧侶はともかく、エルフの弓使いと、不老の妙薬を飲んでいるという魔法使いは、今も健在なのではないかと、ミューは密かに思っていた。

 魔法の力で勇者ヒッグスの死を知った彼らは、今日、村人に交じって葬式に参加してくれるのではないかと、そんなほのかな期待を持っていたのだ。

 そして今目の前に立つ、見慣れない若者。ミューはドキドキしながら、名を訊ねた。

「トリノだよ。忘れちゃったのかミュー」

 あ。

 ミューは顔を赤くした。言われて思い出した。近所に住んでいた男の子のトリノだ。たしか数年前から隣の町に働きに出ていたのだった。

「ヒッグスさんのこと聞いて、慌てて帰ってきたんだ」

「あ、うん。どうもありがとう」

 あー。恥ずかしかったあ。

 トリノが会場に入っていってから、ミューは胸の動悸を押さえていた。

 それにしても、トリノあんなのにイケメンになってたのか。そう独り言ちたとき、幼馴染のボースの団子っ鼻がなぜか頭に浮かんだ。

「やれやれ。あたしゃもう疲れたよ」

 そう言いながら母がやってきてミューの隣に座った。

「あんたも食べて来な。代わるから」

 そこに親戚の娘がやってきて、「もう料理がないぞって騒いでるわ」と言った。

「すきなだけ店で買ってきてウチにつけときな、って言っといで! もうヤケだわよ」

 ミューはそんな母を見つめて、目が合ってからお互いに笑った。


 ミューが広場の中ほどの席につくと、なにやら出し物が始まるところだった。

 剣士や魔法使いの扮装をした子どもたちがワラワラと現れて、口上を述べ始めた。どうやら勇者ヒッグスの冒険をなぞった劇らしい。ミューはそんな出し物のことを聞いていなかったので驚いていた。

 勇者一行は道中出会った魔物たちを倒し、ついに魔王城に潜入した。恐ろしいメデューサの石化の魔法を、鏡の盾で跳ね返し、見事に倒したシーンでは、みんな喝采を上げていた。

(すごい。お祖父ちゃんの冒険のお話のとおりだわ)

 ミューはそのことに驚いていた。

 とうとう魔王の玉座の間に足を踏み入れた勇者一行。そこに巨大な魔王が毛布を被った姿で現れる。目の所だけ切ってあけていた。

「ゲハハハハ! 勇者ヒッグスよ。お前も返り討ちにしてくれるわ」

 くぐもった声で吼える魔王。

 勇者ヒッグス役の男の子がなにか言おうとして、もじもじしていると、魔王がひそひそ声で、「魔王バリオン、お前の悪行も今日限りだ」と言った。

「魔王バリオン! おまえのあくぎょうもきょうかぎりだ!」

 男の子は元気にそう言って、魔王に斬りかかる。

「うぎゃー。やられたあああ」

 魔王を倒した勇者ヒッグスは、攫われていたお姫様を助け出して、王宮に送り届けた。

「勇者ヒッグス様。どうかわたしをあなたの妻にしてください。そしてつぎの王に」

「いえ。姫さま。わたしはボトム村にかえります。みんながわたしの帰りを待っているのです」

 そうして劇は拍手喝さいの中で終わった。

 整列する子どもたちの中で、一人だけ大きな魔王が毛布を取った。ミューの幼馴染のボースだった。みんな揃って観客に頭を下げると、また大きな拍手が降り注いだ。

 ミューは涙を浮かべていた。

(覚えてたんだ、ボース)

 子どものころに何度も二人並んで祖父から聞かされた勇者ヒッグスの冒険、そのままだった。


 夕暮れになり、ようやく葬式会場はお開きになった。散らかり放題のテーブルや食器は、参加した村人みんなが協力して片付けてくれた。

 放心状態でミューは受付の椅子に座っていた。広場に残っているのは、酔いつぶれて放っておかれている数人だけだった。

 ミューは自分の頬を触った。熱気でまだ火照っている気がする。

「いいお葬式だったな」

 ぽつりとつぶやいた。今日のことは、きっと一生忘れないだろう。

「さよなら、おじいちゃん」

 ふう、と深く息を吐いた時だった。

 受付の前に人影がさした。

「残念。間に合わなかったようだね」

 大柄な旅姿の男性が、『勇者ヒッグス葬式会場』の横断幕を見上げながら言った。

「あ、すみません。せっかく来ていただいたのに」

 ミューには見覚えのない人だった。きっとトリノのようによその街から知らせを聞いて戻ってきてくれたのだろう。

 本当に申し訳ない気持ちでミューは頭を下げた。

「あの。せめてお名前だけでも」

 顔を上げた時、不思議な気持ちがした。まったく見覚えのない顔なのに、ずっと昔から知っている気がするのだ。

「ハドロニウス・バリオン」

 男性は静かにそう告げた。

 その時、周囲の空気が凍ったような感覚があった。ミューは、自分が氷の檻に閉じ込められたように感じられた。

 男の相貌がゆるやかに変化していく。貴公子然とした、凍てついた表情。肌は青く。目は赤く。髪の毛からは巨大な二本の角が突き出てきた。そして身にまとう若草色のマントは、漆黒に染まっていく。

「魔王……バリオン……」

 ミューは絶句した。祖父から聞かされた、魔王の真の姿がそこにあった。

「勇者ヒッグスは本当に死んだのだな」

 魔王は冷たく振動する声でそうつぶやいた。

「これで、わたしの邪魔をするものはいなくなった」

 邪悪な波動が魔王の全身から溢れ出しているのがミューの目にも見えた。

(おじいちゃん助けて)

「そなたはヒッグスの子孫だな。香るぞ。やつの血の香りがする」

 魔王がゆっくりと近づいてくる。

「手始めに、まずはおまえからだ」

(助けて)

 椅子に張り付けられたように金縛りにあい、指一本動かせないままミューはガタガタと震えていた。

 おまじない。

 魔王の手が伸びてくる。彼が動くだけでチリチリと空気に放電が走る。

 ミューは祖父から教わった言葉を、震える喉から絞り出した。


『フォトン、レプトン、グラビトン』


 その瞬間だった。ミューの胸元のペンダントからまばゆい閃光が走った。その光が正面に立つ魔王の胸を貫いていた。

「ガアアアア!」

 魔王がのけぞった。

「ひっ」

 金縛りの解けたミューも思わずのけぞった。そのまま椅子から転げ落ちる。

「や、やりおったな、ヒッグス。最後の魔力をタリスマンに込めておったか」

 魔王が胸を押さえて、小刻みに震えている。胸に空いた穴から、瘴気のようなものがどんどん漏れ出しているのが見えた。

「死してなお、我の残った最後の心臓を潰すとは」

 魔王の姿が光に包まれて、消えて行く。

見事なり、勇者よ。

 最後にそう言って、魔王バリオンは消滅した。あとには、ミューだけが残された。

「おじいちゃん」

 ドキドキと心臓が早鐘のように打っている。ミューは胸のペンダントを抱きしめた。そうしているといつも不思議な暖かさに包まれたそれは、今は冷え切っていて、役目を終えて死んでしまったかのようだった。

(おびき寄せたんだ。身を隠していた魔王を。盛大な自分の葬式を開くことで)

 ほら吹きヒッグスは嘘をついていた。

 祖父は魔王を倒してなどいなかった。しかし、きっと冒険譚の途中までは本当にあったことだったのだろう。魔王城に乗りこんだヒッグスは、魔王を倒せなかったのだ。魔王は心臓を複数持っていた。

 けれど最後の最後に、ヒッグスは魔王を倒した。嘘を本当にした。

 みんなに馬鹿にされ、そして愛された勇者ヒッグスは、まだ勇者だった。

 ミューは空を見上げて、涙が流れるままに嗚咽した。





 パタパタと鳥の身体に女の顔をした魔物が飛んでいる。ハーピーだ。

「魔王様ぁ。なんですか今の小芝居はぁ」

 日の暮れたひとけのないあぜ道を歩く旅姿の魔物は、周囲を飛ぶ目障りなハーピーを叩こうとした。

「おっと。危ない危ない。それにしても酷い芝居でしたよお。観てるこっちが恥ずかしくなりますぅ」

 また伸ばされた手を、ハーピーは寸前でかわした。

「感傷的ですねえ。かつての敵の葬式に顔を出したかと思えば、その孫に大サービスの小芝居まで! いったい、魔王様ほど人間の心の機微を理解する魔物がかつていたでしょうか」

「うるさいなタウ。私だって、この心臓のひとつを奪った男に、思うところはある。そしてその男が、あっという間に年老いてこの世を去って行くことにも」

「ヒトの命は儚いですからねえ」

 それから魔王はまた黙って歩き続けた。

 魔王付きの道化師(ジェスター)を任じているハーピーは、叩き落されない距離を保って、またちょっかいをかけた。

「パタパタ。そんな魔王様にとって、勇者との戦いの日々は、そんなに特別なんですかぁ。一瞬のことでしょ。永遠に近い命を持っていらっしゃるのに」

「長さは問題ではない」

「ほへぇ。じゃあどう特別なんですかぁ」

 ハーピーは飛び回りながら待ったが、気まぐれな主人は黙ったままだった。

「魔王様お得意の人間的感傷で言うとぉ?」

 その言葉に、魔王はつと立ち止り、夜空を見上げて一言、確かめるようにつぶやいた。

「青春」

 そうして、どこまでもつづくあぜ道をふたたび歩きはじめた。


 完

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