第17話 モテモテな悠人くん



その後、解散した俺たちは各々の教室へと戻るために廊下を歩いていたのだが…


(ねぇ、あの人かっこよくない?)

(前までうちの学校にあんな人いたっけ)


なんだかヒソヒソと話している声が聞こえる


「なぁ、なんか俺たち見られてないか?」


「俺たちじゃなくて俺(悠人)だけだな、悠人が急にイケメンになったからだろうな?」


(こ、これは盲点だった、やっちゃった〜…確かに元々美形だと分かってたけど髪切るだけでこんなにモテてしまうものなのか…)


なにか旭がボソボソと呟いているようだが何と言ってるのか聞こえないな


「そうか?多少は変わったと思うがそこまでかっこよくは無いだろ」


「いやいや、そんな事ないって。試しに誰かに連絡先聞きに行ってみろよ。100パーセント教えてくれると思うぞ」

ニヤニヤしながら旭の方を見て儁はそう言った。


「儁くんって意地悪ですよね。なんで彼女がいるか不思議なんですけど??」


「えっ、儁って彼女いんの?」


「あれっ、あ、そっか悠人は知らないのか、俺には中学3年の卒業式から付き合ってる彼女が他校にいるぞ?」


「へぇ、そうだったんだな。まぁ、お前もイケメンだし、良い奴だもんな。俺は旭みたいに否定せずにちゃんと肯定してあげるぞ」


「さすが、いい友を持ったわ〜。誰かさんと違って」


また儁はニヤニヤと笑いながら旭のほうを見る。


「さっきからウザイんだけど殴っていいかな〜?」


「ちょ?ゆ、悠人?助けてくれ!なんで無視して歩いていくんだよ、助けてくれって!」


「俺もちょっとさすがに旭が可哀想だと思ってな、ご愁傷さまだ。」


「と、言うわけで覚悟してね?しゅん君?」


「ちょ、ゆうたぁぁぁぁ」


と叫んだ直後、ぽこっと聞こえた気がした。


先に歩いていると1人の女生徒に声をかけられる


「あ、あの、ちょっといいですか?突然ですみませんなんですけど…連絡先交換して貰えますか?」


「え、いやあの…」


悠人に何か御用ですか???」


まるでゴゴゴという雰囲気を出しているかのような旭が女生徒に問いかける。


「え、あっ、旭さんの彼氏さんだったんですね、失礼しましたーーーーーー!」


ピューっとそのとある女生徒は走り去って行ってしまった。


「おい!何嘘ついてんだよ!嘘は良くないだろ嘘は。」


「別にいいじゃない、悠人困ってたし〜?ていうかなんで私も置いていくの!」


「良くないんだが…。だって友達が殴られてるとこ見たくないし。」


「じゃあ助けろよ…」


「悪かったな、でも儁ももうちょっと旭に優しくしてあげろよ?」


「ほんとにそうだよ?儁はもっと私を優しく扱うべき」


「へいへい、分かってるよ〜。」



それから俺たちは教室へと急いだ





──────────────────────

ここで1章完結です!

ここまで見てくださってありがとうございます!

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