第4話 現実とキャラ違いすぎるだろ!
LINEを交換したその後、芹沢は何やら用事があるらしく校門にて解散となった。
夕日の差し込むオレンジ色に染った道路をとぼとぼと歩き出す。
やっぱり春という季節はいいなぁ
夏ほど暑いわけでもなく冬ほど寒いわけでもないちょうどいい気温の季節だし、
何より桜の散っている姿を見るのは壮観でめちゃくちゃ綺麗だもんな。
桜以上に散り際の美しい花は無いのでは?
そんなことを考えながら今日起きたことを振り返る。
それにしても散々な1日だった、、
教師のパワハラで生活委員に任命させられるし、学年一の美少女にはなぜか興味を持たれるし…
俺の平穏な生活はどこに行ったのやら。
もう芹沢と友達(?)になった時点で平穏な生活は諦めた方がいいのかもなぁ…
そういえば今日の朝やってた占いで総合最下位だったな
それが影響しているのか?
普段、絶対に占いなどのスピリチュアル的なものは信じないが今後はニュースアプリのタブ欄に占いを加える程度には信じてやることにしよう
などと考えていると何やらズボンのポケットからスマホが振動した感触が伝わってきた。
なんの通知だ?
スマホをポケットから取り出し画面を確認する
Yuinaがスタンプを送信しました
そこには先程LINEを交換した芹沢の名前があった
「なんだよこのぎりぎりぶさかわいくない猫のよろしくねスタンプ…」
女子ならもっと可愛い猫のスタンプとか使うんじゃないの?知らんけど。旭なんか可愛さの権化みたいなスタンプ使ってるぞ
自分で言っておいてなんだが可愛さの権化みたいなスタンプってなんだよ…
続けてまたスマホが振動する
Yuina :これからもよろしくね!小学校ぶりに出来た異性の友達だからちょっとテンション上がっちゃってる笑
現実とキャラ違いすぎるだろ!
なんなの?ギャップ萌えでも狙ってんの?
ギャップ萌えは程よいギャップがあるから発生するのであってここまでギャップがあると逆に何も感じないんですけど
※一個人の意見です。
そうこうしているうちに家の玄関まで着いてしまった
特別芹沢と話したいこととかないなし、もともと委員会の情報網が欲しいだけで交換しただけだしいちいち返信しなくてもいいよな
と思い、スタンプで会話を終了させ、投げ入れるようにスマホをポケットに入れた
☆☆
ガチャリ
と扉を引き家の中へと入る。
「おにぃちゃんおっかえりー」
と声をかけてきたのは俺の妹である
先に行っておこう。彼女は義妹ではなく純妹だ。
「おう。早かったな委員会とか入らなかったのか?」
「うん〜。だって面倒くさそうだし1年だからまだあんまりやりたくないしね」
妹よ。それは罠だ。
後々面倒なことになるぞ…
と経験者は語る。
「あーあ。やっちまったな、ほかの先生たちはどうか知らないが、俺の先生は一年の時委員会に入ってなかったやつは強制的に二年で委員会をやらせてきたぞ。それで生活委員会になるという辱めを受けたわけだ。あの先生だけは絶対に注意しとけ…」
妹がケタケタと笑い始める。
「おにぃちゃん一年の時から生活委員だけは絶対にやりたくないって言ってたもんね笑笑私も朝早い時間に行って校門に立って挨拶なんてしたくないもん。災難だったね笑」
「他人事みたいに言うなよ、来年さゆだって生活委員になるかもしれないんだぞ??」
「ないない!私は絶っっ対にならないから!なっても断るから!」
「いやいや、あの状況じゃ断れねぇよ…」
あの状況で断ったらクラスメイトから絶対冷たい目で見られるしな、「なんで断るんだよ。お前のせいでまた俺たちにまでリスクをつける気か?」などと言われ体育大会、修学旅行、ブロックマッチなど数あるイベントの中でぼっちでいる羽目になるだろう。
一番嫌なのは卒業アルバムの寄せ書きに誰も書いてくれなくなる事だな。
あの頃の青春を思い出そうとする時に誰一人としてメッセージがないのは悲しすぎるだろ。
それだけは絶対に避けたい。
「あ、そういえば生活委員だったらあの芹沢さんも一緒なんじゃないの?」
え、君たち入学したばっかりでしょ?なんで知ってるの?
今思えば芹沢の周りにみんなが集まってた時に一年も混ざってたな…
入学したてほやほやの1年生にも知名度があるっていつ知名度を広げたんだよ、学外でビラ配りでもしちゃったの?俺が知ってる限りでは読モモデルとかもやってなかった筈だが…
中学が一緒だったとかか…?
真相は藪の中である。
「なんで知ってるんだよ。」
「いや、なんかクラスの男子たちの中ですでに話題だったんだよね芹沢さん。あと生活委員なのはクラスのグループラインで男子たちが「芹沢さん生活委員だったらしいぞ!」「うわぁぁぁ、俺が生活委員やってればな、…くそっ!」とか騒いでたから知ってた、ちらほら女子もそれに混ざってるようだったけど。」
グループLINEでする会話じゃないだろ…
せめて身内でやれよ。
今年の一年の結束力は強そうだな、主に男子の
「そ、そうなのか…」
と引き気味で答えた。
「まぁ雑談はこのくらいにして、おにぃ着替えてきなよずっと制服だと苦しいでしょ?あとさっさとお風呂入っちゃったら?もうお風呂入るには良い時間帯だし。」
時計の針を見てるともう既に19時を回っていた。
今日割と長い時間学校にいたんだな。
始業式とかの日って早く帰れるはずなのに何故か俺たちの学校は延々とこれからの予定や授業のスケジュールなどの話をされ、長い時間拘束されたな、おまけに委員会もあったし。
委員会が終わったのが17時30分頃だったからあれから1時間半くらい経ったのか。
なんか今日時間が経つのが早い気がするな。
たまにあるよね。
「あれなんか今日時間過ぎるの早くね?やけに授業終わるの早く感じたんだけど」って時。
「あぁ、そうさせてもらおうかな。」
今日は長めに湯船に浸かろう。
色々あって疲れたし。
お風呂から出たあと自室に戻った俺はベットにダイブした。
よほど疲れていたのか、気がつけば夕食も取らずすやすやと眠っていた。
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