第6話 快進撃

客の少ないライブハウス。

まっすんが深呼吸し、ギターをかき鳴らしながら曲がスタートした。

思い切って歌い始める。


「♪俺はまっすん、ロックンロールで生きていく!全ての悩みはギターで吹っ飛ばすぜ!♪」


観客たちが徐々に盛り上がり、体を揺らし始める。

数人しかいない観客が、少しずつ前に集まってきて、まっすんのリズムに乗って手拍子を始める。


「なんだこれ、意外といいじゃん!」

「もっと聞かせてくれ!」


ステージ脇にいるスマイル神、満足そうに微笑みながらサングラスをかける。


「ほらな、ロックンロールの波は一度乗れば止まらねぇんだよ!」

まっすんにしか見えない神様は自信満々に言い切る。


まっすんはステージ上でどんどん調子に乗り、リズムに合わせてギターを振り回しながら熱狂。バンドメンバーたちもノリノリで、それぞれのパートを弾き始める。


「♪いくぜ、まっすんズ!俺たちが新しい日本のロックだ!ワッハッハー!♪」


次の瞬間、アンプからスパークが飛び、ステージが真っ暗になる。

会場は一瞬静まり返る。


「え、なんだ!?ぶっ壊れたのか!?」

まっすんは焦る。


すると突然、観客の一人がスマホのライトをステージに向ける。

それに続き、他の観客たちもライトを照らし、ライブ会場がライトの海に包まれる。


「続けてくれ!」

「もう止まるな、まっすんズ!」


スマイル神が舞台袖で拍手しながら叫ぶ。

「よし、今が勝負だ、まっすん!魂で歌え!ロックンロールは止まらねぇ!」


まっすんは観客たちの声援に応えて、アカペラで力強く歌い始める。

観客たちは手拍子でリズムを作り、声を合わせて歌い出す。会場全体が一体化する。


「まさか…こんなに盛り上がるとは思わなかったぜ!これがロックンロールの力か…!」


まっすんは汗をかきながら感動していた。


その後、1年をかけて「まっすんズ」は口コミでどんどん人気が広がり、街中のライブハウスやフェスティバルに呼ばれるように。ステージ上ではまっすんがギターを風車のように振り回しながら走り回る姿が定番となった。


スマイル神は舞台袖で破顔する。「笑って、踊って、ロックンロールで突っ走れ!人生は楽しいもん勝ちだぜ、まっすん!」

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