第6話 虎一郎さんドンマイっす
ブモォォオオオオ!!
子ベヒーモスの咆哮にカイトたちは驚いて足を止め、警戒しながら武器を構え直した。
しかし虎一郎はカイトたちの前へ歩み出ると、それを見た
しかし、それを見た虎一郎はなんと刀を
カキン
「え、コイちゃん!
「
「縄? え、ロープあるけど。はい」
「コイちゃん、それどうするの?」
「あのような
虎一郎はそう言うと、ロープを持ったまま
「コイちゃん! え、ちょ、えぇ!?」
ブモォォオオオオ!!
ガシッ!
虎一郎は、鼻息荒く暴れている
「
それを見ていた
「コイちゃん! モンスターは小さいからって弱いわけじゃないから気をつけて!」
ドガッ!!!
しかし
「なっ!」
ズシャッ!
ズザザザ…… ゴロゴロゴロゴロ……
なんと虎一郎は岩山の急な斜面に吹き飛ばされ、そのまま下に転がり落ちていった。
「コイちゃん!!」
「この世界に宿りし精霊よ、我にその大いなる力を与えたまえ。万物への愛をもって嘆願する。あの者に癒やしと、守りを与えたまえ!」
ホワッ
すると虎一郎の体が一瞬緑色に輝き、HPが回復され防御力が
ズシャッ!!
虎一郎は山の下まで転げ落ちると、素早く立ち上がって岩山の山頂から
「
「うん、わかった! 気をつけて!」
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ
虎一郎は急いで登山道へ出ると走って山頂へと向かった。
◆
虎一郎が山頂に向かっている間、カイトたちは
ブモォォオオオオ!
ガキン、ズシャア!
「くっそ!」
「カイトくん、大丈夫!?」
「
「ははは、あたし守るのが仕事だから。あ、ほら来るよ!」
「はい!」
ブモォォオオオオ!
するとそこへユメが氷の魔法の大呪文を唱えた。
「凍てつく氷の女神たちよ、我に冷血なる力を与えたまえ。凍る六花の結晶をもって嘆願する。あの者に絶対零度の裁きを!」
ユメの周りに無数の氷の
ズガガガガガガガガガ!
ドドドドドドドドドド……
氷の
「ユメちゃんナイス!」
「ユメ、いいぞ!」
「ユメちゃん、ほとんど命中!」
「やった! うふふ」
ユメの氷の魔法が
ブモォォオオオオ!
それを見た
「みんな、あたしの後ろに!」
「「はい!」」
ブゥーン!
するとその円は即座に青い魔法陣となり防御魔法が展開された。
ガキン!!
ブモォォオオオオ!
突進してきた
「いまだジロウ!」
「おう、カイト!」
それを見たカイトとジロウは素早く飛び出すと、
「えい!」
「おりゃあ!」
ズバッ! ドンッ!
『HIT!』
『クリティカル! +20%』
モォォオオオ……
カイトとジロウが
すると4人の視界にメッセージが現れた。
『
「おっしゃ!」
「やった!」
「クリティカルで倒せた!」
「ははは、良かった」
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ……
「はぁっ、はぁっ! 虎一郎、戻り
なんとその時、虎一郎が現れた。
「あ、コイちゃん!」
「
「あ、えっと、みんなで大人しくさせたよ」
「なんと!!」
虎一郎は地面に伏せている
「こ……、この虎一郎、なんたる
それを見たカイトたちは虎一郎に声をかけた。
「虎一郎さんドンマイっす」
「虎一郎さん大丈夫ですよ」
「始めたばかりですから仕方ないです」
「カイト殿、ユメ殿、ジロウ殿……。なんとお優しい……」
虎一郎は3人に深々と頭を下げると、ゆっくりと立ち上がった。
そして再び頭を下げながら、3人に言った。
「お
「いやいや、虎一郎さん!」
「頭を上げてください、虎一郎さん」
「こ、こちらこそ宜しくおねがいしたいです!」
「え!! やば!!」
「親のベヒーモスが登山道を登ってくる! なんで!」
「「ええっ!!」」
すると3人と
『制限時間10分を過ぎました。ペナルティが課されます』
「えっ!」
「10分以内に倒したよな!?」
するとユメが原因に気づいた。
「きっと
ユメはそう言いながら慌てて「仲間にする」を選択したが、親ベヒーモスは
「ペナルディは親ベヒーモスだったのか!」
「やばい、絶対勝てないよ!」
「だめだ止まんない! コイちゃん、今からやばいモンスター来るから後ろに下がって!」
「いや
「いや、ちょっと敵が強すぎっていうか……」
「
「……そ、そっか、わかった」
虎一郎は刀を抜くと、前へ出て下段に構えた。
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