第4話

「あっ、ごめんなさいっ.....」


僕は咄嗟に彼女に謝った。彼女は僕の謝罪に満足してくれたのか、顔をそむけてしまった。

さらりさらりとまるで音を立てるように彼女の髪の毛はなびいていく。

鳥籠越しでも分かるほど、彼女はとても美しかった。


「あの、君ってもしかして、天使.....?」


彼女は僕の言葉にどうもするでなく、顔をそむけたままだった。


「う.....あっ、.....その、あの.....」


うまく言葉を発せなかった。僕の口からこぼれ落ちていくのは、文章でも、単語でもなく、ただの“音“だった。


「ごめんなさいっ....」


もしかして彼女の気分を悪くさせてしまっただろうか?

もう、嫌だ。誰にも嫌われたくないんだ。

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