第3話
扉を開いた先に“いた“のは、宝物でも、なんでもなく、天使だった。冗談でもなんでもなく、本当に。大きな翼と輪っかを生やした天使が。
天使は自分の何倍もの大きさであろう、鳥籠の中に小さく、座り込んでいた。
「.....?人形.....?」
僕はゆっくりとその鳥籠に近いていく。ギシギシと古い家特有の音を鳴らしながら。
「貴方、失礼じゃない?」
まるで鈴の音のような、か細い声。
“彼女“は頬に影を落とすほどに長い睫毛を生やしたその瞼をゆっくりと持ち上げた。
思わず息を飲んでしまうような、美しい瞳。まるで透明なガラス玉のようだった。
「聞いているのかしら?」
彼女は返事をしない僕に対し苛立ちをあらわにした声で問いかけてきた。
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