第8話
”悪魔の子”の私と、”悪魔”の公爵様。
もし、本当の親子だったら良かったのに。
「公女様、デビュタントの衣装でも決めましょうか。」
テアはいくつものドレスを丁寧に並べる。
「公爵様は、私のデビュタントは私のお父様をみつけてからだって....」
まさか、もう見つけて....?私はもう捨てられるのかな.....。
「公爵様はもう”知って”いると思いますよ。」
テアの笑っているとも泣いているとも言えない曖昧な表情。
「公爵様の元にでも行ってはどうでしょうか...?公爵様はきっと公女様ならいつでも歓迎してくださいますよ。」
テアは優しく私の背中を押してくれた。
私なんかを、公爵様は歓迎してくれているのだろうか。なにもできない、落ちこぼれの私を。
愛される才能なんてない、”悪魔の子”の私を。
長い廊下の奥にある、公爵様の部屋。ここに来てあまり経っていないけれど、公爵様はこんなに早く私のお父様を見つけてくださった。
公爵様が私のことを思っているのは確かなのだろう。でも、叔母様の家であんな仕打ちを受けた私は人を上手く信じることができなかった。
カチャリと思ったよりも軽い音を鳴らしてドアは開いていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます