第5話

全体的に黒でまとめられた淡白な教室。そこに入ってくる生徒は皆、キラキラと宝石のように輝いていた。それぞれの魔力がオーラとなり、自分の身にまとわりついているのだろう。羨ましいほどに。


そんな教室に、1人の、否2人の不思議な生徒がいた。

片方は目を疑うほどに白く、美しく輝いている生徒。横を軽く通り過ぎるだけでふわりと香る彼の魔力の香り。でも、彼は上手く魔法を使えないようで、実技テストはいつも最下位。


それに比べてもう片方の不思議な生徒は魔力の気配は僅かにしか感じられないような生徒だった。それでも”それ”を少しでも誤魔化すためなのか、甘い、甘い香りをいつも漂わせていた。彼はきっと香水でもつけているのだろうか。そんな彼は、座学でも実技でも常にトップ。彼にまさる者は誰一人としていなかった。仮にいるとするならば、前者に挙げた“白鷺唯斗しらさぎゆいと”、彼くらいなのではないだろうか、そんな不思議な生徒の彼らは今日“も”仲良く会話をしていた。

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