第4話

黒川君は、凛とした美しくも目つきの悪い、キレ長の瞳を揺れ動かした。

黒川君の瞳は、本っ当に美しかった。


「白鷺君、そんなに僕を見つめてどうしたのかな.....?もうそろそろ帰らないと、じゃないかな?」


帰....る.....。あっ、そういえば.....。


「黒川君はどうしてわざわざ教室にきたんです?用事がないと放課後に来る意味も特にありませんし....。」


僕はこっそりと練習をしたかったからここにいるけれど.....。


「.....あぁ、ついうっかりしてて、教科書を持ち帰るのを忘れちゃってね、」


教科書....。黒川君はしっかり放課後も勉強をするのかぁ....。すごいなぁ.....。


「えっと......それじゃあ白鷺君、また明日ね、」


黒川君は教科書を手に持ち、ゆっくりと教室のドアに体重をのせる。


「はいっ!!また明日〜。」


僕は軽く黒川君に手を振る。黒川君と、こんな会話が出来るようになるなんて.....。本っ当に嬉しいな.....。

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