第3話

ぴりぴりと指先に魔力が通る感覚を感じた。僕の想い.....。僕はこの、雷の魔法を成功させたいんだ.....。


『ぱちぱちっ』


っと、さっきよりも柔らかく、軽い電流の流れる音。ほんのりと白光りする電流は、少し不恰好だったけれど、僕からしてみればそれは大きな進歩だった。


「わっ......わぁぁぁっっっ!!!!!」


今まで僕は本当に魔法を上手く扱えなかった。

”魔力量が多いから”って勝手に期待されていた分、より絶望されて。


「黒川君っ!本っ当にありがとうございますっ!」


黒川君はニコニコしている。


「おめでとう、白鷺さん。」


黒川君は軽く指を鳴らして、花吹雪が出てきた。

これほどまでにたくさんの花吹雪を出す魔法はより魔力を繊細に扱わなければいけないから、とても難しいはずなのに。


「わぁっ.....。黒川君、本っ当に凄いんですねっ......!!!!」


「そんなことないよ。僕は人より魔力量が少ないから、扱い方を極めただけだから。スタートがみんなより後ろだから過大評価されてるだけなんだよ。」


黒川君の、喜びと悲しみが入り混じったような声。


「.....。すごいじゃないですか!!!!!その分、努力したってことですよね....!流石黒川君...。」


黒川君はほんのすこし僕の言葉に驚いたようだった。


「....うん。そっか、ありがとう。白鷺.....君」


”ありがとう”僕は少しその言葉に戸惑ってしまった。僕はただ、当たり前のことをを述べたつもりだったから。


「.....白鷺君、よかったら僕が軽くだけど魔法を教えてあげるよ。」


黒川君は優しくそう言った。黒川君に魔法を教えてもらえる.....。それは、僕が夢にまで願ったようなことだった。


「えっ.....⁉︎いいんですか.....?ありがとうございますっ!黒川君!!!」

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