第9話
6番さんの濁った瞳に光が入った瞬間、
さっき6番さんがいったように、堕ちた。
ふわふわの雲の上から。
勢いよく落ちていく感覚。
まるで身体中の臓器が気圧によって押し上げられるような感覚が全身に響く。
「んぁっ、神様ならもっとおしゃれなおりかたできないんですかっ?!」
3人の髪の毛がふわりふわりとなびく。
雲と髪の毛の色が混ざりあって、それはもう真っ白だった。
「もーミアはダメだなぁ。」
ミリはおちているのにさも優雅に足を曲げてまるで正座のような体勢をとっている。
ダメって、だってそれはっ、
私が6番さんのほうめを移すと、6番さんはただ下を見つめていた。
透き通るような陶器のような肌という表現はよく聞く。
でも、陶器というよりももっと、ヒトらしくない実態を保たない、保てないナニカ特有の美しさを漂わせていた。
「ろくばっ....さん?!」
6番さんとの手は離していない。
それでも、暖かみのない手はまるで実態がつかめなくてすぐにでも消えてしまいそうな底知れぬ恐怖心があった。
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