第2話

“千年に一度”のヴァンパイアがその年に二人も同時に存在していることは、本来ありえない話なのだ。

今まで二人も同時にいたことなんてなかったのだから。


「クロエお姉様!あとで私と一緒に街へ行きましょう!」


ニコニコと愛らしい笑顔を向ける妹のシロエ。


「えぇ、一緒に行きましょう。」


私とシロエ、どちらかが“ニセモノ”なのだ。



「わぁ!!見てくださいクロエお姉様!!」


無邪気に笑顔を振り撒かせながら、走り回るシロエ。彼女からしてみればどちらかがヴァンパイアで、どちらかが“ニセモノ”

だということはさほど気にしていないようだった。


「シロエ、転ばないように気を付けてちょうだいね、」


まるで“ニセモノ”を探そうとしている私がバカらしくみえてくるようだった。

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