フロレンとハロレン

@SZSe3421

第1話アランとフラン

 

どうしてみんな争うのか…。僕は不思議でしかたなかった。

こんな争いがあっていいものか…。僕の名前はアラン。ずっと昔から考えていたことだ。父さんと母さんは争いのせいで死んだというのに!

僕の住む町フロレンは、隣町のハロレンと100年前から争いを続けてきた。それはなぜか、それは、100年前のフロレンのの王様とハロレンの王様が、国の未来をめぐって対立をしてきたからだ。100年前から続く争いが今でも続いているのだ。

争いの影響で、たくさんの人が毎年亡くなっている。僕の父さんと母さんは、僕が2歳の時に争いに巻き込まれて死んでしまった。争いのせいで人が死んでいるのに、なんでみんな争いなんかするのだろう?僕は、フロレンの人たちを敵とは思っていない。同じ国の人たちだし、国が違っても争う必要なんかない。そんなことを考えていると、「アラン!」と呼ぶ声がした。振り向くと、そこには男の子が立っていた。

「どうしたアラン。また考えごとか?」「フウ、どうしたの?」「どうしたのじゃねぇよ…。また考えてたんだろ?争いのこと。」

「うん、だってさ、争っていいことないじゃん!」

「まぁ俺も同じ考えだけどな。でも、どうやって止めたらいいのか分かんねぇよな…。」「それに、こんなこと言ったら、みんなから反感買うよね…。」「だな。俺たち以外みんな、争うことになんの疑問もわかない。それどころか、いいことだって思ってる。」僕はうなづく。

親友のフウは、僕と同じ考えを持っている。彼も大切な両親を亡くしているからだ。

「まっ、その話はまただ。行くぜアラン。買い物行かなきゃ。」「うっ、うん!」僕たちは外に出た。僕とアランは二人だけで住んでいる。他の人たちとは対立状態にある。僕たちと他の人たちとは考えが違うからだ。そのため、二人だけで暮らしているのだ。僕たちの考えは分かってもらえないけど、いつかきっとわかってくれると信じている。 

「よし行こう!」 

「うん!」

外に出て、食料屋さんに行く。そこにはたくさんの食料品や日用品が売っている。

「今日は何にする?」「そうだなぁ…。ハンバーグにコーンスープ、なんてどう?」「いいな!それにしよう!」僕らはハンバーグとコーンスープの材料を買って店を出た。

「帰ったらさっそくご飯作っちゃおうか。」 

「そうだな、さっさとやっちゃうか!」

そう話しながら僕たちは歩いていた。途中でフウが止まった。

「どうしたの?」

「アラン、人が倒れてる。」「えっ?」

前を見ると、たしかに男の子が倒れていた。

「大丈夫ですか?」「おい、しっかりろ!」

僕は男の子を抱き寄せる。フウも心配そうだ。

「どうしようフウ。」「うちに連れて行こう!」「うん!」

僕が彼を抱いて、家まで連れていった。中に入り、空いている部屋の中のベッドに入れた。

「大丈夫かなあの人。」「まぁ様子を見よう。」僕はうなづく。

もしかしたらお腹空いているかもしれないと思った僕は、二人分の夕食を作るついでに彼の分のご飯を作った。

「しかし、なんでまたあんなところに倒れてたのかな?」「僕もそれは気になったよ。それに、この町では見かけない人だし、もしかしたら彼、ハロレンの…。」「俺もそう思う。武器を持っていなかったから、騎士でもなさそうだしな…。」「だね…。」

そんなことを話していると、足音が聞こえた。振り向くと、彼が立っていた。

「あの、ここはどこですか?というか、どうして僕はここに?」僕は彼に、状況説明をした。

「君は、道で倒れていたんだ。僕たちは君を助けただけ。」

そう説明すると、彼は納得したようで頭を下げてきた。「ありがとうございました!助かりました。」

「いや、元気ならそれでいい。俺はフウでこいつはアラン。」「よろしく!」「よろしく、僕はフランです。」

僕は、フランさんに状況を聞いてみた。

「フランさん、どうしてあんなところに倒れていたんですか?」するとフランさんは黙った、「言いたくないならそれでいい。でも、こっちも理由が知りたいんだ。」

フランさんはしばらく黙ったままだったが、「もしかしたら、二人とも怒るかもしれません。」と前置きしたうえで、理由を話してくれた。 

「実は僕、フロレンから追い出されたんです!」「えっ!」「追い出された⁉︎」「はい…。」「どうして⁉︎」「僕、フロレンとハロレンが争ってるの、よくないって思ってるんです。同じ国どうし、なかよくしたいって。それを言ったら、みんなから反感をかってしまって…。」

僕もフウも黙ったままだ。まさか、同じ考えの人がいたとは!嬉しくなった!

「…やっぱりおかしいですよね…。こんな考え方。」

「いや、俺たち嬉しいんだよ!」「えっ?嬉しい?」「同じ考えの人がいて、嬉しいんだよ!」「ほんとですか?」「はい!僕もフウも、両親を争いのせいで亡くしてるから。」「そうなんですか…。僕、これからどうしようかな…。追い出されちゃったし…。」「フランさん…。」

僕は、いいことを思いついた。「それなら、ここに住んだらどうかな?」「そうだな!そうしろよ!」

フランさんは首を振った。「だめですよそんなことしたら…。僕のことを受け入れたら、二人は捕まるかも。それに、みんなから反感をかいますよ!」「ここなら見つかる心配ないし、それに俺たち、すでに反感をかって孤立してるんだ。なぁ?」「そうですよ!ねっ?一緒に暮らしましょう?」

僕とフウは、彼をみた。しばらくして、彼はうなづいた。「二人がいいなら。」「よっしゃ決まり!」こうして僕たちは、一緒に暮らし始めた。

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